2004 Fiscal Year Annual Research Report
コレラ菌の環境応答に対するべん毛運動と走化性の役割
Project/Area Number |
16017241
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本間 道夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50209342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川岸 郁朗 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80234037)
薬師 寿治 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30324388)
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Keywords | 走化性 / コレラ菌 / シグナル伝達 / べん毛 / レセプター |
Research Abstract |
前年度までに,コレラ菌の誘引物質の探索を行い,セリン,タウリンなどを見いだした.また,ビブリオ菌については,バイオインフォマティクスの手法を用い解析し,レセプター様タンパク質(MLP)が45種もあることを明らかにしている.本年度は,タウリンやアミノ酸を認識するレセプターを同定するため,MLP遺伝子のクローニングを行った.MLPsのうち相似が認められた.さらに,そのうちの6種の推定ペリプラズム領域は,緑膿菌や枯草菌のアミノ酸走性レセプターと共通な配列を有していた.したがって,これらのMLPsがアミノ酸走性に関与する可能性が考えられる.とくにMlp24はMcpXとも呼ばれ,マウス感染実験でコレラトキシンの産生に関与すると報告されている.そこで,O395N1株からmlp24遺伝子をクローン化し,Mlp24がセリン,アルギニン,プロリン走性を媒介する可能性を示した.一方,コレラ菌は,走化性の細胞質内シグナル伝達を担う相同なシステム(Cheシステム)を3組もつ.そのうちCheA2とCheY3を含むシステムIIだけが走化性に関与する.そこで,45種ある走化性受容体様タンパク質(MLP)とCheタンパク質のネットワークを推測するため,MLPの一次構造を解析した.MLPは膜トポロジーより(A)二回膜貫通型でペリプラズム領域を持つ,(B)二回膜貫通型でペリプラズム領域を持たない,(C)膜貫通領域を持たないものに分類した.それらのメチル基転移酵素との相互作用と特異性やMLPとのGFP融合タンパク質を用いた細胞内局在化を調べた結果から,MLPとCheシステムの共役関係は細胞内局在に反映されると推測された.
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Research Products
(3 results)