2004 Fiscal Year Annual Research Report
HIVの複製・病原性発現に必須なアクセサリー蛋白質の系統的構造・機能相関解析
Project/Area Number |
16017270
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
足立 昭夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (90127043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 美歌子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (00322256)
内山 恒夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (90151901)
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Keywords | HIV-1 / HIV-2 / Vif / Vpr / Vpx / プロテアソーム分解 |
Research Abstract |
本研究では、エイズ発症に必須であると考えられているHIVのVifおよびVpx/Vprの構造と機能に関して系統的に解析し、要約以下の成果を得た。(1)エイズ長期未発症者と発症者由来のHIV-1 vif遺伝子の感染性付与機能を解析した。その結果、ウイルスを血清中に多く持つ発症者は、感染性付与機能を持っvif遺伝子を多く持つことがわかり、生体内でのウイルス複製とエイズの進行にVifの機能が関わることが示唆された。(2)HIV-1 Vifがプロテアソーム分解を受け、低いVifの発現レベルを保つことでHIVを効率的に複製させていることを見出した。Vifは細胞内で細胞質に存在するものと細胞骨格に結合しているものがあるが、細胞質に存在するVifは20分程の半減期でプロテアソーム分解されるのに対し、細胞骨格に結合しているVifは安定で細胞内に蓄積されることを示した。この分解は細胞非依存的であり、その他のHIV-1アクセサリー蛋白質に比し、特に感受性が高いことも示した。この分解に重要なVif内リジン残基も同定した。Vifの分解はウイルス感染性を至適に保つために必須であった。(3)HIV-1はVprをコードするが、HIV-2はこれに加えてVpxもコードする。ホモロジーモデリングを行った結果、これらの3つの蛋白質はそれぞれ3ないし4個のヘリックスから成る極めて類似した構造を持っことがわかった。機能に関する新知見として、HIV-2 Vpxがマクロファージ中でウイルスゲノム逆転写促進能を持つことや種々の細胞に対する毒性効果を持つことを見出した。
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Research Products
(6 results)