2004 Fiscal Year Annual Research Report
Notch分子によるヘルパーTリンパ球分化・活性化制御機構の解明
Project/Area Number |
16017271
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
前川 洋一 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (10294670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安友 康二 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30333511)
岸原 健二 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (80214774)
九十九 伸一 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (10346596)
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Keywords | Tリンパ球 / 細胞分化 / 細胞系譜決定 / Th1 / Th2 / Notch |
Research Abstract |
CD4陽性Tリンパ球は抗原刺激により1型(Th1)あるいは2型(Th2)ヘルパーTリンパ球へ分化する。Th1とTh2分化の異常により感染症や膠原病の疾患感受性が劇的に変化することから、この分化決定機序を明らかにすることは重要である。研究代表者らの従来の研究により、CD4陽性Tリンパ球は抗原刺激と同時にNotchリガンドの一つであるDelta1によって刺激されると選択的にTh1が誘導されることを見出している。そこで本年度は、CD4陽性Tリンパ球で見られたDelta1-Notch3経路の活性化によるTh1の選択的誘導と相同の事象がCD8陽性Tリンパ球においても当てはまるかどうかを検討した。 CD4陽性Tリンパ球を除去した脾臓細胞をプレートコートしたDelta1と可溶性抗CD3抗体により5日間試験管内にて刺激した後、細胞傷害性Tリンパ球の指標であるIFN-γおよびGranzyme Bの産生をフローサイトメーターで解析した。その結果、Delta1刺激非存在下の対照群と比較してdelta1刺激群ではIFN-γおよびGranzyme Bの産生細胞共に優位に増加していた。しかし、実験に使用したDelta1の濃度では細胞増殖抑制効果は認められなかった。また、CD4陽性Tリンパ球の場合には、Th1への分化に重要な働きを持つと考えられている転写因子のT-betの発現がDelta1刺激により増加するのに対して、CD8陽性Tリンパ球でT-betと同様の働きを有すると考えられているEomesoderminは、Delta1刺激によってもその発現の増加はみとめられず、さらにEomesoderminのドミナントネガティブ型を遺伝し導入した際にもDelta1によるCTLの成熟促進効果が解消されることはなかった。
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