2005 Fiscal Year Annual Research Report
NK細胞、NKT細胞の機能調節による感染防御機構の制御
Project/Area Number |
16017292
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
竹田 和由 順天堂大学, 医学部, 講師 (80272821)
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Keywords | NKT細胞 / α-Galactosylceramide / OCH / CD94 / NKG2A / Qa-1b / IFN-γ / IL-4 |
Research Abstract |
NK細胞やNKT細胞は感染の初期防御において重要な細胞である。NK細胞やNKT細胞の感染防御機能に重要な分子を明らかにし、これらの細胞の活性を調節することで感染防御機構の制御を図ることを目的として研究を進めてきた。今年度は、NKT細胞の特異的リガンドによる活性化後の機能変化と、それを応用してNKT細胞の活性を高める手法を見出し報告した。 NKT細胞は、CD1d上に提示された糖脂質をT細胞レセプターで認識し活性化する。生理的なリガンドとしてバクテリア由来のGSL-1等が知られており、またα-galactosylceramide(α-GalCer)によるNKT細胞の特異的な活性化が、腫瘍治療や感染防御に応用され始めているが、充分な成果は得られていない。我々は、特異的リガンドで活性化されたNKT細胞では、細胞表面のレセプターが一時的に消失し、その後、T細胞レセプターがNK細胞レセプターより早く再発現することを見出した。この現象はOCH刺激後に顕著で、OCH刺激後、抑制性NK細胞レセプターであるCD94/NKG2Aの発現の無いNKT細胞は、α-GalCerによる再刺激で10倍以上の量のサイトカインを産生した。また、このCD94/NKG2Aを介したNKT細胞の機能抑制はIFN-γにより増強されることを見出し、これがNKT細胞の活性化調節に重要であることを示した。 この結果により、NKT細胞の活性を制御する自己に対する抑制性NK細胞レセプターが見出され、この機能調節によりNKT細胞の反応性を制御できる可能性が示された。また、1次反応と2次反応でNKT細胞のリガンドに対する反応性が異なることは、感染時期等によりNKT細胞が異なった反応をしている可能性を示しており、今後、感染時期を追って詳細にNKT細胞の反応性を解析し、感染防御機構におけるNKT細胞の真の機能を解明する必要性が示唆された。
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Research Products
(6 results)