2004 Fiscal Year Annual Research Report
病原体酵素の分子認識に基づくエイズ・マラリアの治療薬開発と薬剤耐性克服研究
Project/Area Number |
16017302
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
木曽 良明 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (40089107)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 徹 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (70204980)
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Keywords | 酵素阻害剤 / AIDS / アスパラギン酸プロテアーゼ / HIVプロテアーゼ / 基質遷移状態誘導体 / マラリア / ドラッグデザイン / プラスメプシン |
Research Abstract |
我々はヒドロキシメチルカルボニル(HMC)イソステアがHIVプロテアーゼ阻害剤において,理想的な遷移状態ミミックであることを見いだした.一方,地球温暖化の進行によりマラリアが我国にも流行する可能性が憂慮されているが,マラリア原虫の増殖に重要な役割を果たす酵素Plasmepsin IIがHIVプロテアーゼと同じアスパラギン酸プロテアーゼに属することがわかった. そこで,理想的なHMCを含む阻害剤をデザインすることにより,耐性ウイルスに活性を示すKNI-1931を見いだしており,さらなる組織移行性の高い低用量抗HIV薬の開発をめざした. また,現在使用されているマラリア治療薬は耐性が問題となって来ており,新しいタイプの抗マラリア薬の開発が急務の課題となっているので,HIVプロテアーゼ阻害剤開発のノウハウを用いて抗マラリア薬のデザインを進め,赤血球中でマラリア原虫の増殖を抑制するプラスメプシン阻害剤を得た.さらにプラスメプシンIIと阻害剤複合体の分子認識研究から、より高活性な化合物KNI-10006をデザイン合成した。さらに阻害剤の構造活性相関研究を行い、マラリア治療薬開発をめざした。 一方,成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスであるHTLV-1のプロテアーゼも,同じアスパラギン酸プロテアーゼに属するので,同様の方法で阻害剤のデザインを行った.オクタペプチドKNI-10162がHTLV-1プロテアーゼ阻害活性を有することを見いだし,我々の遷移状態概念に基づく阻害剤開発の方法論が広く応用可能であることを示すことが出来た.
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Research Products
(7 results)