2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16017304
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
間 陽子 独立行政法人理化学研究所, 分子ウイルス学研究ユニット, 研究ユニットリーダー (50182994)
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Keywords | HIV-1Vpr / 核移行 / 核輸送担体imporitn α / 結合阻害 / ELISA / 低分子化合物 / X線構造解析 / 蛍光イメージング技術 |
Research Abstract |
我々は以前に、HIV-1アクセサリー蛋白質Vprが一般的に行われる核輸送担体Impα/βによる核移行とは異なったImpαのみによる新規核移行機序を有することを発見した。さらに、Vprに存在する3つのα-helixドメインの内、αH1とImpαの結合こそが核移行に必須であること、その結合能を消失したVpr変異体を有するウイルスはマクロファージへの感染性が激減することを初めて示した。この事実は、VprとImpαとの結合を標的とした新たなる抗HIV-1薬の開発の可能性を強く示唆している。 本研究では、VprとImpαとの結合がマクロファージへのHIV-1感染に必須であるという申請者らの初めて見出した成果を根幹にし、VprとImpαとの結合を阻害する低分子化合物を開発し、新たなる抗HIV-1薬の創製を目指した。まず、X線構造解析情報に基づいたin silico技術を駆使して、VprとImpαの結合を阻害する低分子化合物を設計、創製するために、大腸菌発現系を用いてVprとImpαを大量に精製し、その複合体の結晶化と構造解析を行っている。次に、実際に、複数の低分子化合物ライブラリーからVprとImpαの結合を阻害する低分子化合物を同定した。VprとImpαの結合阻害を正確に測定できるELISA binding法を構築し、2000化合物を同定した結果、VprとImpαとの結合を阻害し、さらに、Impαによって促進されるVprの核移行をも阻害する3種類の低分子化合物の同定に成功した。現在、HIV-1感染を阻害を偽HIV-1感染実験によって解析中である。一方、HIV-1感染過程をモニタリングするための蛍光イメージング技術の構築のために、蛍光蛋白質Venusを融合させたVpr発現プラスミドを構築し、偽HIV-1と共にCOS細胞に導入し、蛍光蛋白質融合Vprを取り込んだウイルス粒子を作成した。
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Research Products
(7 results)