2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16018204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
馬場 章 東京大学, 大学院・情報学環, 助教授 (10208704)
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Keywords | 後藤家 / 後藤四郎兵衛家 / 計量 / 分銅 / 分銅改め |
Research Abstract |
今年度は、後藤家の分銅関係資料における器物資料と文献資料の相関関係を考察する第一段階として、すでに分類されている後藤家関係資料のうち、分銅の家業にかかわる史料の解読作業を行い、史料の釈文(解読文)をテキストデータとして入力した。解読を行った史料は次のとおりである。 (1)分銅員数帳(嘉永6年3月・丹後国中郡峰山町) (2)分銅員数帳(嘉永3年7月・伊賀国名張町) (3)分銅取調帳(安政3年8月・伊賀国上野町) (4)分銅員数帳(安政3年8月・伊賀国郷方) (5)分銅員数帳(安政3年8月・伊賀国上野町) (6)分銅改継願書并割増値段書継願書共書抜控(文久元年九月) (7)分銅増直段願書并分銅直段書銅直段書(文久3年10月) (8)分銅改願書并例書(文久3年7月) (9)金銀地金留帳(元治元年7月27日〜慶応3年10月21日) (10)分銅御用諸書留(弘化4年3月〜慶応2年正月) (11)分銅御役所様御役人中様(慶応2年9月・大工手間代の見積書) (12)分銅増直段願書并二例書銅直段書(文久元年) (1)〜(5)は町村の分銅の所持者と分銅の種類を調査した際の調書であり、(7)・(12)は物価高騰に伴う分銅の値上げを願い出たもので、元文3年・弘化4年・文久元・3年の分銅価格と原料となる銅の価格が記されている。(8)は分銅の検定(分銅改め)実施を願い出たもので、(6)は分銅の値上げおよび分銅改めの願書を書き写したものである。(9)は後藤家が製作した刀装具の地金を費用と使途及び使用した日付が記されている。(11)は分銅役所の改築と思われる大工手間代の見積書である。(10)は弘化4年〜慶応2年にかけての分銅改めに関する留書であり、分銅改めの具体的な手順を知ることが出来る。さらに寛文年中・正徳3年・享保3年・元文3年の分銅価格や元文年中・天保年中・弘化年中・文久元・2・3年・元治元年の銅直段も知ることが出来る。(6)・(8)にも書き留められた分銅改めの東国での実施願(分銅改新国願)が記されている。
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