2004 Fiscal Year Annual Research Report
タイ寄生虫感染関連胆道がんの症例・対照研究による遺伝子多型の解析
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16024204
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三輪 正直 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20012750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本荘 哲 栃木県立がんセンター研究所, 疫学研究室, 室長
内田 和彦 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (90211078)
轟 健 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (70114105)
太田 力 国立がんセンター研究所, 腫瘍ゲノム解析情報研究部, 室長 (10290892)
花井 修次 産業総合技術研究所, 非常勤職員(研究職) (80333483)
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Keywords | 胆道がん / 肝臓がん / 肝内胆管がん / 肝吸虫感染 / GSTM1 / CYP2E1 / XRCC1 / hOGG1 |
Research Abstract |
肝内胆管がんは、早期発見が困難であり予後は極めて不良である。我国においても比較的少ないが稀ではない。肝内胆管がんが世界一高率のタイ東北部ではすでに肝吸虫(OV)感染がリスク要因であるとの報告があるが、我々はこれを確認するとともに、新たに飲酒がそのリスク要因となることを示してきた。また、遺伝的多型の差が発がん感受性の個体差を規定しているとの作業仮説を立て、タイ東北部において症例・対照研究を行ないこれまでに、GSTM1遺伝子多型がOV感染による罹患リスクを修飾することを明らかにした。本年は、ニトロサミンなどの発がん剤の活性化に関与し得るCYP2E1の転写開始点上流に存在する遺伝子多型を解析したが、この多型単独では胆道がんリスクを説明出来なかった。塩基除去修復に関係するXRCC1遺伝子は399番目のコドンの多型がある。この多型単独では罹患リスクを説明出来なかったが、少なくとも一つのGlyのアレルをもつ集団では若年者で罹患リスクが上昇する傾向がみられた。また、炎症などにより生成する活性酸素種によるDNA障害を修復するhOGG1遺伝子のコドン326のSerとCysの多型単独では、胆管がんのリスクを説明することは出来なかったが、OV抗体陽性者において野生型のSerのアレルをもつヒト集団はCysのホモ接合体の集団に比して胆道がんのリスクの上昇が認められた。
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Research Products
(6 results)