2004 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子FAST‐1標的遺伝子の機能解析による脊椎動物の初期形態形成機構の研究
Project/Area Number |
16027219
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
渡部 稔 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (60338952)
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Keywords | シグナル伝達 / 発生・分化 / マイクロアレイ / 形態形成 / 発現制御 / 転写因子 / 中胚葉 / アフリカツメガエル |
Research Abstract |
転写因子FAST-1はNodalシグナルの下流転写因子として、動物の形態形成に中心的な役割をはたしている。本研究では、cDNAアレイを用いて得られたFAST-1の標的遺伝子:XSPR2bの機能解析を通じて、動物の初期形態形成に重要な遺伝子ネットワークを解明することを目的としている。予定外胚葉を用いた実験では、XSPR-2b遺伝子はNodal/FAST-1シグナルだけでなくBMP、FGFシグナルによっても発現が誘導された。初期胚でXSPR-2b遺伝子を発現させると、中胚葉形成のマスター遺伝子であるXbraの異所的な発現が誘導された。また胚での発現領域がXbraとオーバーラップしていることから、両者の間に何らかの機能的な関連があるのではないかと考え、その可能性を調べた。Xbra遺伝子を単独でアニマルキャップへ発現させると、標的遺伝子(Bix.1、Xwnt11など)の発現が誘導される。XSPR-2b遺伝子にはそのような誘導活性はないが、Xbra遺伝子と共発現させると、Xbra遺伝子の発現誘導活性を高めることが観察された。しかし、Xbra遺伝子が誘導できない遺伝子(Chd、Gscなど)の発現が誘導されることはなかった。このことから、XSPR-2b遺伝子はXbra遺伝子の発現量を高めることで、Xbra遺伝子の標的遺伝子の誘導活性を変化させていることが示唆された。また、レポーター遺伝子を用いた実験から、野生型のXSPR-2b遺伝子は転写の活性化因子と機能していることが示された。現在、XSPR2b遺伝子がどのようなメカニズムでXbra遺伝子の発現を誘導しているのかということを中心に研究を行なっている。を現在までに調べている。今後はXSPR-2b遺伝子のさらに詳細な機能メカニズムの解析を行ない、中胚葉形成におけるXSPR-2b遺伝子の機能をあきらかにしていきたい。
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Research Products
(1 results)