2005 Fiscal Year Annual Research Report
分化多能性維持に必須の転写因子Nanogの機能解析
Project/Area Number |
16027232
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山中 伸弥 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (10295694)
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Keywords | ES細胞 / 分化多能性 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
哺乳動物の受精卵は分化全能性を保ったまま卵割を繰り返すが、桑実胚から胚盤胞への過程で細胞は分化細胞である栄養外胚葉もしくは分化多能性を維持する内部細胞塊へと変化する。内部細胞塊においては引き続き2回目の運命決定が起こり、細胞は原始内胚葉へと分化するか、原始外胚葉(エピブラスト)として分化多能性を維持する。発生初期において分化多能性が維持される分子機構はほとんどわかっていない。胚性幹細胞(ES細胞)は胚盤胞に由来する幹細胞で、分化多能性を維持したまま、半永久的に増殖する。これまで、ホメオボックス転写因子Nanogは分化多能性の維持に必須であることを報告した。本研究の目的はNanogの発現を規定する上流因子、Nanogと複合体を形成する蛋白質因子、そしてNanogにより転写調節される標的遺伝子を同定することである。 1.Nanogの生体における発現様式の解析 Nanogの遺伝子座に緑色蛍光蛋白質(GFP)をノックインした大腸菌人工染色体(BAC)をES細胞に導入し、さらにマウスを作製した。このES細胞やマウスをもちいて分化、発生にともなうNanogの発現動態を可視化した。 2.Nanog遺伝子の調整領域の解明 レポーター遺伝子解析によりES細胞特異的発現に必要なエンハンサー配列を同定しOct4とSox2の2つの転写因子が重要であることを見いだした。 3.Nanogの標的遺伝子探索 未分化状態がSTAT3により維持されているES細胞と、Nanogにより維持されている細胞との間で、DNAマイクロアレー解析を行い、NanogとSTAT3の標的候補を多数同定した。これらについて真に標的遺伝子であるかを検討した。 4.Nanogの複合体解析 アフィニティー精製によりNanog結合蛋白質の探索を行った。
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Research Products
(3 results)