2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16043209
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
坂本 明美 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (90359597)
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Keywords | 記憶T細胞 / Bcl6 / 抗原特異的T細胞 / エフェクターT細胞 / 樹状細胞 / 遺伝子 / 発現制御 / 遺伝子気損マウス |
Research Abstract |
目的:増殖能の高い記憶CD8T細胞の分化維持に転写因子Bc16が重要であり、OT1背景マウスを用いた移植実験から、この二次応答の差はCD8T細胞intrinsicに発現することを明らかにした。ところがこの記憶CD8T細胞の分化維持に記憶CD4T細胞の存在、樹状細胞のサブタイプ、活性化の程度が大きく関与することが示された。そこで記憶CD8T細胞分化過程におけるBcl6の分子機構を解析すると共に、記憶CD4T細胞分化におよぼすBcl6の関与、樹状細胞分化におけるBcl6の関与を明らかにし、記憶T細胞の分化維持の分子機構を解明する。 結果: (1)DO11.10背景のBcl6欠損マウスを用い、移入実験において免疫後のCD4T細胞の生存維持を確認した。その結果Bcl6欠損CD4T細胞は初;期の増殖応答は起こすが、長期維持される記憶CD4T細胞としては検出されなかったことより、Bcl6は記憶CD4T細胞の分化維持に必須の転写因子であることを明らかにした。Bcl6は免疫後のエフェクターに強く発現しており、Bcl6欠損CD4T細胞はエフェクター細胞の表現系が一部異なることから、Bcl6の関与機構の一つとして、エフェクターでの分化調節が示唆される。 (2)Bcl6欠損マウスの脾臓樹状細胞のサブタイプを確認した結果、B220^+DCは同数認められるが、CD8^+DC, CD4^+DCが欠損していることを明らかにした。骨髄キメラマウスや培養系による実験から、この分化障害はprogenitor intrinsicであり、今までに報告されている転写因子の発現異常とも異なることが示唆された。 考察:Bcl6は血球系細胞に広く発現し機能している。免疫応答時においては抗原提示から記憶T細胞の分化維持におけるまでのそれぞれの細胞、段階で機能しており、獲得免疫の形成において重要な転写因子であることが示唆された。
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Research Products
(7 results)