2004 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞分化における免疫グロブリンの品質管理とその破綻
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16043218
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
烏山 一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60195013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯岸 克行 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (10343154)
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Keywords | 免疫学 / 発生分化 / B細胞 / 免疫グロブリン / 品質管理 |
Research Abstract |
B細胞分化の初期段階特異的に発現するプレB細胞レセプター(preBCR)はB細胞分化に必須であり、その形成・機能不全はB細胞欠損型免疫不全症をひきおこす。preBCRはμH鎖と代替L鎖とから構成されるが、H鎖遺伝子再構成によって産生されるすべてのμH鎖が代替L鎖と会合してpreBCRを形成できるわけではない。本研究では、フローサイトメトリーを用いた新規解析法により、マウス骨髄ならびに胎児肝において、preBCR形成能のあるμH鎖を発現しているプレB細胞とpreBCR形成能のないμH鎖を発現しているプレB細胞とを識別し、それぞれのμH鎖のアミノ酸配列の特徴を解析した。成体骨髄では80%の初期プレB細胞がpreBCR陽性であったが、胎児肝では20%のみがpreBCR陽性であった。胎児肝でもっとも使用頻度の高いVH81Xセグメントを使用したμH鎖に関して、CDR3領域のアミノ酸配列とpreBCR形成能との関連を調べた結果、preBCR形成能をもつVH81X-μH鎖ではCDR3の第1番目のアミノ酸がヒスチジンである頻度が極めて高いことが明らかとなった。新生児脾臓B細胞のVH81X-μH鎖でも同様の特徴が認められた。すなわち、胎生期にpreBCRによって特徴的なVH81X-μH鎖が正の選択を受け、その結果新生児期にはきわめて限局したH鎖レパトアをもったB細胞が産生されることがわかった。さらに、成体脾臓B細胞を解析したところ、辺縁帯B細胞に限局して胎児型VH81X-μH鎖を発現しているB細胞が存在することが明らかとなった。この発見は、胎生期に産生・選別された特徴的VH81X-μH鎖を発現するB細胞が成体になっても脾臓辺縁帯という特異な部位で維持されていることを明確に示すものである。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Dok-1 and Dok-2 are negative regulators of lipopolysaccharide-induced signaling.2005
Author(s)
Shinohara H, Inoue A, Toyama-Sorimachi N, Nagai Y, Yasuda T, Suzuki H, Horai R, Iwakura Y, Yamamoto T, Karasuyama H, Miyake K, Yamanashi Y.
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Journal Title
Journal of experimental medicine 201
Pages: 333-339
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[Journal Article] Deficiency of BLNK hampers PLC-gamma2 phosphorylation and Ca2+ influx induced by the pre-B-cell receptor in human pre-B cells.2004
Author(s)
Taguchi T, Kiyokawa N, Takenouch H, Matsui J, Tang WR, Nakajima H, Suzuki K, Shiozawa Y, Saito M, Katagiri YU, Takahashi T, Karasuyama H, Matsuo Y, Okita H, Fujimoto J.
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Journal Title
Immunology 112(4)
Pages: 575-582
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[Journal Article] Diagnostic importance of CD179a/b as markers of precursor B-cell lymphoblastic lymphoma.2004
Author(s)
Kiyokawa N, Sekino T, Matsui T, Takenouchi H, Mimori K, Tang WR, Matsui J, Taguchi T, Katagiri YU, Okita H, Matsuo Y, Karasuyama H, Fujimoto J
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Journal Title
Modern Pathology 17
Pages: 423
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