2004 Fiscal Year Annual Research Report
APSノックアウトマウスは肥満によるインスリン抵抗性を回避できる
Project/Area Number |
16046215
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岸 和弘 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (70284320)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蛯名 洋介 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (00112227)
小畑 利之 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (40325296)
湯浅 智之 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (50304556)
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Keywords | APS / ノックアウトマウス / インスリン受容体 / ユビキチン化 / internalization |
Research Abstract |
A tyrosine kinase adaptor protein containing pleckstrin homology and SH2 domains(APS)はインスリン刺激により早期に強くチロシンリン酸化される。APSはインスリン標的組織で強く発現しており、特に脂肪組織での発現が高い。しかし、インスリンシグナルにおけるAPS機能は不明である。我々はAPSノックアウトマウスがインスリン感受性を亢進していることを報告した(Diabetes,2003,Minami et al.)。このマウスの脂肪でのインスリンによる糖の取り込みがWTマウスに比べて増加しており、これがAPSノックアウトマウスにおけるインスリン感受性亢進の要因になっているかもしれない。それゆえ脂肪組織におけるAPSの発現がインスリン感受性を調節している可能性が考えられる。 APSノックアウトマウスとWTマウスに高脂肪食を与え、肥満を引き起こし、結果的に誘導されたインスリン抵抗性がAPSノックアウトにより影響されるか検討した。高脂肪食を与えることにより雄APSノックアウトマウス、WTマウスとも通常食を与えたコントロール群と比較して約35-50%の体重増加を認めた。これらのマウスに腹腔内インスリン負荷試験を行ったところ、肥満APS WTマウスは明らかなインスリン抵抗性を来しているにもかかわらず、肥満APSノックアウトマウスではインスリン抵抗性を認めなかった。 インスリン受容体はAPS依存的にモノユビキチン化、またはマルチユビキチン化されている事を発見した。そしてそのユビキチン化によりインスリン受容体のintrnalizationが促進されている事を明らかにした。
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