2004 Fiscal Year Annual Research Report
単一細胞内反応ダイナミクスにおけるシュタルク効果の計測
Project/Area Number |
16072201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
太田 信廣 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (70113529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中林 孝和 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (30311195)
飯森 俊文 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (60360947)
金城 政孝 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (70177971)
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Keywords | 単一細胞 / シュタルク効果 / 時間分解蛍光 / 光反応 / 時空間分解測定 |
Research Abstract |
単一細胞内における化学反応ダイナミクスが電場の作用に対してどのように変化するかを調べるための装置が必要である。そこで本年度は、研究室既存の電場変調蛍光分光計および最近代表者らがこれまで開発してきた時間分解電場発光スペクトル測定装置(正、ゼロ、負、ゼロの変調電場に同期して発光減衰曲線が測定できるように発光寿命計のマルチチャンネルアナライザーが4つのセグメントに分けられている)を用いて、時間空間分解発光シュタルク効果計測装置のさらなる開発を進めた。空間分解された単一細胞内のダイナミクスへの電場効果に関する実験を行う為に、個々の細胞内の単一蛍光分子を取り出して蛍光強度や蛍光減衰曲線への電場効果を測定することができるためには、蛍光顕微分光システムを構築する必要がある。そこで今年度は、そのために必要なレーザー走査型蛍光顕微鏡システムを購入してシステムの立ち上げおよび時間分解発光測定装置との組み合わせに関する作業を行なった。作製された装置の有用性を示すための基本的な実験を蛍光蛋白を取り込んだ細胞試料を用いて行った。具体的には緑色蛍光蛋白質を取り込んだ細胞を対象に、パルス励起直後から2ナノ秒毎の時間分解発光強度を空間を分解しながら測定を行なった。蛍光強度の時間変化から単一指数関数減衰を仮定して蛍光寿命を求め、細胞内の蛍光寿命マッピングをナノ秒およびピコ秒時間分解能で得ることができることを示した。ピコ秒よりも速い時間領域での発光に対しては、アプコンバージョン法を採用した発光寿命測定装置と変調電場を組み合わせた装置を用いる予定でおり、この装置の開発も合わせて進めた。これらの装置開発と並行して、細胞を取り扱うための電極間隔の比較的大きなシュタルク効果測定用溶液セルの設計を行なった。
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Research Products
(15 results)