2004 Fiscal Year Annual Research Report
固液界面電子移動ダイナミクスの非線形分光法による実時間計測
Project/Area Number |
16072202
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
魚崎 浩平 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20133697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 一三 北海道大学, 大学院・理学研究科, 講師 (40292776)
高草木 達 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30359484)
野口 秀典 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60374188)
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Keywords | 非線形分光 / 電子移動ダイナミクス / 半導体ナノクラスター / ポンプ-プローブ測定 / 固液界面反応 |
Research Abstract |
本研究では、固体/溶液界面で起こる反応の動的描像を得るために、主としてバルクのダイナミクスを追跡する可視光ポンプ-赤外光吸収プローブ法と、表面・界面に敏感な非線形分光法の1つである和周波発生(SFG)分光法を組み合わせ、固液界面での電子移動反応を実時間追跡する事を目的としており、本年は以下の成果を得た。 (a)可視光ポンプ-ブロードバンドSFGプローブ測定システムの開発 現有のフェムト秒可視光ポンプ-赤外吸収測定システムに波形整形ライン、分光器、CCD測定系などを導入しブロードバンド可視光ポンプ-表面SFGプローブシステムを構築した。 (b)可視光ポンプ-赤外光吸収プローブ法による固体/溶液界面の電子移動ダイナミクス 機能性分子を吸着させたCdS超微粒子を溶液中に分散し、超微粒子の可視光励起にともなう超高速赤外応答を測定し、サイズ効果を明らかにした。また、機能性分子で修飾したCdS超微粒子を石英、透明電極などの上に二次元配列させ、超微粒子の可視光励起にともなう超高速赤外応答測定を行った。さらに、電位依存性についても調べた。なお、安定でS/N比の高い測定を行うために、64チャネルのMCTアレーを導入した。 (c)非線形分光法による固液界面吸着種の観察とダイナミクス 二次高調波発生分光法により、GaAs上への銅の電析過程をその場追跡し、析出した銅の形態、析出機構の電位依存性を明らかにした。また、SFGにより酸化チタン表面の水構造に及ぼす光照射効果を調べ、光親水化機構を提案した。さらに、ps-SFGと電気化学を組み合わせたシステムを新たに構築し、白金/溶液界面に形成された吸着COのレーザー励起にともなうダイナミクスを時間分解SFG分光法で追跡した。Ptのon-topに吸着したCOに由来するピークが2064cm-1に観測され、ピーク強度はポンプ光照射によって急激に減少し、数十psと極めて短い時定数で回復した。またポンプ光照射直後に新たに1980cm-1付近にブロードなピークが出現した。これはポンプ光照射により、on-topに吸着していたCOがmulti-foldサイトへ過渡的に変化したものであると考えられる。
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Research Products
(15 results)