2005 Fiscal Year Annual Research Report
界面凝集体の時間分解局所トンネル電子励起アンチストークスラマン分光
Project/Area Number |
16072203
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福村 裕史 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50208980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HOBLEY Jonathan 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40332499)
ZHANPEISOV Nurbosyn 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10326275)
畑中 耕治 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90312545)
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 / ナノ材料 / 化学物理 / 固液界面 / 分子分光 |
Research Abstract |
固液界面における構造体形成とその観察を目的として、動的相分離溶媒を利用した界面構造形成と長鎖アルキル基を有する分子を用いた自己組織化膜の二つを対象として研究を行った。動的相分離溶媒については、相分離の時間変化をラマン分光法により追跡してきたが、なぜアルキル鎖のCH振動が相分離に伴ってシフトするのか、明解な答が得られていなかった。この問題を計算機化学の立場から追求し、水素結合に伴う分子間電子移動によって電荷分布が変化することを明らかにした。さらにこれらの溶媒中で重合反応を試み、変化しつつある溶媒構造の大きさに対応してナノ〜マイクロメートルの高分子構造体が生成することを見出した。自己組織化膜の空間分解ラマン分光を行うに先立ち、グラファイト上に吸着したカーボンナノチューブを試料としてトンネルプローブ誘起ラマン分光法によりどの程度の空間分解能が得られるのかを調べた。ステージ走査型トンネル顕微鏡のプローブ上方に100倍の長作動距離対物レンズを置き、これを通して試料表面にレーザー光を照射し、ラマン散乱光を集めるシステムを組上げた。ここでは励起光にアルゴンイオンレーザーの488nmを用い、散乱光のスペクトルは冷却型電荷結合素子あるいは光電子増倍管によって測定した。電解研磨により作製したタングステンのプローブ表面に、化学めっきにより銀を付着させて走査型プローブとして用いた。また、銀合金を用いて走査型プローブを作製する独自の手法も開発した。組上げた装置を用いて、炭素-炭素間の伸縮モードの振動数をモニターしたところ、グラファイトとカーボンナノチューブが明解に区別でき、少なくとも200ナノメートルの分解能があることが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)