2006 Fiscal Year Annual Research Report
2波長ピコ秒赤外超解像顕微鏡の開発と単一細胞への応用
Project/Area Number |
16072207
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 正明 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (60181319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 誠 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (60298172)
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Keywords | 2波長 / ピコ秒 / 赤外超解像 / 蛍光 / 単一細胞 / 振動緩和 |
Research Abstract |
我々の開発した赤外顕微分光法は、従来振動緩和の研究手段として用いられる過渡蛍光検出赤外分光法をレーザー顕微鏡に応用したものであり、第1の赤外レーザー光によって特定の振動に赤外励起した分子のみを第2の可視レーザー光により選択的に電子励起することで生じるS_1からの蛍光(過渡蛍光)を検出する。この時、過渡蛍光は赤外光と可視光の重なり部分でのみ発生する。赤外光および可視光はそれぞれの波長に依存する回折限界以下に集光できないが、この重なり部分の過渡蛍光発生領域は原理上、可視光の回折限界まで収縮可能である。即ち、赤外の振動情報を可視光の回折限界に依存する空間分解能で取り出す赤外超解像顕微分光が実現可能である。平成17年度までに、我々はローダミン6G溶液を用いて赤外超解像顕微分光の原理検証実験を行い、溶液において赤外の回折限界を遥かに凌駕した赤外超解像の観測に成功した。 平成18年度は赤外超解像顕微鏡法が微小試料や細胞に適用可能かどうかを検証した。微小試料として蛍光ビーズを取り上げ、赤外超解像法を適用した結果、明瞭な過渡蛍光の観測に成功し、本顕微鏡法の有効性を示した。過渡蛍光像から空間分解能を見積もったところ、1-colorの蛍光像と赤外超解像がほぼ同じ空間分解能(6.8μm)で観測されていることが分かった。これは、赤外超解像の空間分解能が可視光で決まり、赤外の影響はほとんどないことを意味している。また、実験時における赤外の回折限界(16.6μm)で蛍光強度をシミュレーションした結果より、実測値は遙かに高分解能である。即ち、赤外の回折限界を突破した赤外超解像であることを明らかにした。さらに、時間分解測定、波長依存測定、赤外波長の長波長化といった赤外超解像顕微鏡法の性能評価を行うと共に、シロイヌナズナの毛根細胞に赤外超解像顕微鏡法を適用し、細胞への応用の有効性も示した。
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Research Products
(5 results)