2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高速非線形分光法を用いた表面化学反応の実時間計測
Project/Area Number |
16072208
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
和田 昭英 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (20202418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 純 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (50272711)
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Keywords | 時間分解分光 / 振動分光 / 表面反応 / 和周波発生法 / 反応制御 / 最適化波形整形 / 低波数振動モード / 超高速分光 |
Research Abstract |
表面における分子の励起状態や反応の制御・反応選択性の向上を目的として,高出力最適化波形整形システムの作製を行った。システムは光源,波形整形器,制御用コンピュータから構成される。光源は,Nd:YVO_4レーザー励起のモードロックTi:Sapphireレーザー(パルス幅:40fs,出力10nJ/pulse,中心波長800nm)を種光としたダイオードレーザー励起の再生増幅器(パルス幅:50fs以下,出力0.8mJ/pulse,中心波長800nm)を用いた。得られたパルスは波形整形用パルスと観測用パルスの2つに分けた後,整形用のパルスは波形整形器に入射した。得られた整形パルスで可能な波形の構造はパルストレインのパルス間隔にしては60fs〜1psである。また,出力としては20μJ以上のパルスエネルギーが得られた。 作製したシステムの性能は,波長800nmの光パルスによるペリレンの2光子励起効率の制御を行うことで評価した。波形整形器から得られたパルスを試料に集光照射し,パルスエネルギーは一定のままで試料からの発光が強くなるように位相変調のみでの波形最適化を行った。その結果,変調をかけていないシングルパルスを照射した場合の発光強度に比べて,試料が結晶の場合では1.5倍,クロロホルム溶液の場合で1.4倍まで発光強度が強いパルス波形を見出すことが出来た。励起過程が2光子であることから,得られた最適化パルスの2乗をフーリエ変換したところ340cm^<-1>をピークとしたブロードな特徴的なピークが観測された。ペリレン分子は300cm^<-1>〜400cm^<-1>付近に電子励起状態と強く相互作用する振動モードが存在することから,励起効率の増大はこの振動モードの励起が関与していると考えられる。
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Research Products
(3 results)