2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16072212
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮坂 博 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40182000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊都 将司 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (10372632)
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Keywords | レーザー誘起現象 / フェムト秒分光 / ナノ秒分光 / 結晶成長 / 結晶核生成 / レーザー分光 |
Research Abstract |
ゲスト分子としてピレンを含む高分子フィルムのキャスト法による作成中に、レーザー光(ナノ秒YAGレーザー、355nm)を照射するとゲスト分子がセグリゲーションし結晶化が進行することが見出された。レーザー光による光励起を始点とする時間・空間階層性を持った現象の解明を目的として、(1)初期過程の解明、(2)ポリマーマトリックス中での物質拡散過程の直接観測、(3)時間・空間分解顕微分光装置の作成の3点から研究を行った。(1)に関しては、ホスト高分子媒体をポリスチレンとした場合に、アントラセンやペリレンを溶質とした場合にはこのようなレーザー誘起セグリゲーションは起こらず、ピレン系でのみでこのような現象が確認されたことから、エキシマー生成のような光励起状態の分子間相互作用を起点とした過程である可能性が示唆された。また、ピレンの固体中レーザー誘起集合化の可能性を検討するために、77Kのピレン/メチルシクロヘキサン-イオンペンタン剛体溶液をナノ秒レーザー照射し、その蛍光スペクトルのレーザー光強度・照射時間依存性を測定した。その結果、レーザー光照射によってピレンダイマー(室温では形成されない分子性錯体)の生成が確認された。また更にレーザー光照射を繰り返すとピレンの析出化が見出された。詳細に検討する必要はあるが、固体中(あるいは高粘性媒体)中でレーザー光照射により局所的に温度上昇が起こり、高濃度(約10^<-2>M)の溶液系で集合化が起こるという特徴は類似しており、そのメカニズムの詳細について現在検討を行っている。 また、メゾスコピックスケールや表面などの微小・局所領域のダイナミックス測定のために、屈折率分散の小さい近赤外部に発振波長(1270nm)を持つCr: Forsteriteレーザーを光源とした多光子顕微分光システムを作成し、評価を行った。
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Research Products
(6 results)