2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16072212
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
宮坂 博 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40182000)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊都 将司 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (10372632)
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Keywords | レーザー誘起現象 / フェムト秒分光 / ナノ秒分光 / 結晶成長 / 結晶核生成 / レーザー分光 |
Research Abstract |
本研究では、結晶成長と生成のダイナミクスをナノ秒から数10分、数時間(あるいは数日)にわたり高い信頼性をもって観測できる装置を作成し、広い時間オーダー(10から14桁)における時間及び空間階層性を持つ結晶成長ダイナミクスのデータを取得し、特にクラスター生成、結晶核生成のダイナミクス、そのサイズと後の時間領域で生成する結晶との相関についての知見を得ることを目的としている。 本年度は、高分子固体中での溶質結晶化に重要な因子となる分子の並進拡散と、その温度効果を過渡回折格子計測法により決定しガラス転移前後での温度依存性を決定し、レーザー加熱の並進拡散過程に与える影響を検討した。特にS/N比の向上のためにデジタルメーターを利用して、数分-数時間領域での測定を可能とした。これらの結果、高分子固体中における溶質構造と並進拡散に対する異方性を明らかにできた。 核生成や結晶成長のごく初期の状態では、集合体の形成にともなう微小空間での変化を検出する必要がある。そのために、蛍光分子のレーザー照射下での拡散過程を単一分子レベルで測定するために新たに高感度CCDカメラを購入し蛍光イメージ倒立顕微鏡と組み合わせ、微小領域における分子運動の定量的イメージングシステムを作成し、標準試料を用いた基礎的な測定を行い装置の検定を行った。 また、レーザー誘起結晶化に関連し、レーザーによる結晶生成過程のモデル系に対する測定を行った。その結果、局所加熱による温度上昇と核生成に関する基礎的かつ定量的な知見を得た。これらの結果をもとに、次年度に行う単一分子レベルでの分子集合化過程の検出に関する条件を得た。
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Research Products
(7 results)