2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16072213
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原田 明 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (90222231)
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Keywords | 単一細胞 / 無蛍光性化学種 / 高感度検出 / 光熱変換分光法 / 顕微熱レンズ検出 / 多色増幅効果 / 共鳴多光子イオン化 / 化学種分布 |
Research Abstract |
近年、生体関連物質の単一分子検出により生命活動の根幹に関わる新たな知見が得られ始めているが、特殊な例外を除くと単一分子の計数は単純溶液中においてさえ強い蛍光性を持つ特定の化学種のみでしか実現していない。一方、アミノ酸・核酸塩基・タンパク質・ホルモン物質など生命科学に深く関与する化学種の多くは、本来蛍光性分子ではない。本研究は、申請者らが開発してきた光熱変換分光および光イオン化分光の計測手法を発展させることで、「生きた単一細胞内にある無蛍光性化学種の超高感度検出の実現とそれに基づく、新しい生命物理化学分野の開拓」を目的としている。本年度は「細胞内無蛍光性化学種の単一分子計測レベルでの実空間分布測定のための装置開発・改良」を中心に検討を進めた。主要設備である、多色増幅型顕微光熱変換計測装置と顕微光イオン化計測装置を設計し、試作を開始した。アミノ酸・核酸塩基・芳香族塩素化物・環境ホルモン物質など生命科学・環境科学に深く関与する化学種について紫外可視吸収スペクトル、蛍光スペクトル測定と量子化学計算とにより条件を設定し、顕微鏡と組み合わせた紫外光(210nm)励起・可視光(532nm)または近赤外光(800nm)増幅・可視光(670nm)検出型装置が適切であることを見出した。光イオン化測定では、溶媒和電子の吸収が利用できる可能性があることが分かった。また、細胞を扱う上で必要な前処理操作等に必要な設備を導入して、次年度以降の研究を円滑に進めるための準備を進めるとともに、情報収集を行い、観測対象とする細胞を検討した。
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Research Products
(4 results)