2004 Fiscal Year Annual Research Report
動的超分子構造と電子系を結合したエネルギー操作空間の構築と機能
Project/Area Number |
16074201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 貴義 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (60270790)
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Keywords | 金属錯体 / 超分子 / クラウンエーテル / 分子ローター / 分子磁性 / 分子性導体 / イオン伝導 |
Research Abstract |
金属錯体としてジチオレン錯体等を、動的自由度を持つ超分子構造としてクラウンエーテルをベースとした構造を主に用いて、これらを分子レベルで精密に配置することで、新たな分子システムを構築している。本年度は、[Ni(dmit)_2]と[12]crown-4の組み合わせについて集中的に検討を行った。また、金属錯体部分に巨大構造を導入して、組み合わせる超分子構造にさらなる自由度を与えることを目的に、ポリオキサメタレート(POM)を成分とする分子システムの構築を開始した。 M^+([12]crown-4)_2[Ni(dmit)_2](M^+=Li^+,Na^+,K^+,and Rb^+)の組成をもつ一連の単結晶を作製した。この中で、Li塩は他の塩とは全く異なる結晶構造を有していた。一方、Na塩は225K付近で相転移を示し、その前後で結晶構造に大きな変化を生じた。アルカリ金属イオンの大きさがわずかに異なることで、超分子構造が大きく変化し、この変化により[Ni(dmit)_2]の配列が変化し、ひいては結晶の示す磁性にも大きく影響した。 [Ni(dmit)_2]よりも大きなアニオンを用いることにより、組み合わせる超分子カチオンにさらなる自由度を与える目的で、POMアニオンの検討を開始した。第一段階として、最も典型的なKeggin塩を作製した。[15]crown-5を導入した結晶を作製したところ、(p-HPPD^+)_4([15]crown-5)_4[PMo^<VI>_11Mo^VO_<40>]^<4->の組成を有する単結晶が得られた。この場合、フェニレンジアミンはモノプロトン化された状態で存在しており、プロトン化されたアンモニウム残基は[15]crown-5に包接されていた。
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Research Products
(7 results)