2006 Fiscal Year Annual Research Report
動的超分子構造と電子系を結合したエネルギー操作空間の構築と機能
Project/Area Number |
16074201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
中村 貴義 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (60270790)
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Keywords | 金属錯体 / 超分子 / クラウンエーテル / 分子ローター / 分子磁性 / 分子性導体 / イオン電動 |
Research Abstract |
固相での分子モーター構築を目標に、分子ローターとしてアニリニウム誘導体とクラウンエーテルの組み合わせについて検討を行った。また、金属錯体部分に巨大構造を導入して、組み合わせる超分子構造にさらなる自由度を与えることを目的に、ポリオキソメタレート(POM)を成分とする分子システムの構築についても引き続き検討した。 アリールアンモニウムからなる分子ローター部分にダイポールを導入し、外部摂動による回転制御の足がかりとすることを目指し、o, m, p位を-NH_2基または-F基で置換したアニリニウム誘導体を用いた結晶を作製し、その物性を精査した。特に、昨年度までに得られた、(o-phenylenediamine)^+([18]crown-6)[Ni(dmit)_2]^-においては、超分子カチオン構造間にdipole-dipole相互作用が働き、結果として密にパッキングしたカチオン層が形成した。そのため、aryl基のすぐそばに、隣接する[18]crown-6が位置し、aryl基のフリップ運動が抑制されることが分かった。一方[18]crown-6分子は、結晶中で回転していた。^1H-NMRの線幅の評価から、(PhNH_3^+-d_5)([18]crown-6)[Ni(dmit)_2]と比較して、[18]crown-6はやや低温まで回転を保っていることが判明した。さらに、回転子としてアダマンタンを導入した系を作製し、アダマンタンの回転が低温まで保たれることを示した。 Kegginクラスター[PMo_<12>O_<40>]^<4->を用い、p-phenylenediamine誘導体とクラウンエーテルからなる超分子カチオンを含む錯体結晶を作製し、空孔構造をもつ結晶を得た。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Diversities of Coordination Geometry at Cu2+ Center in the Bis(maleonitriledithiolato)cuprate Complexes : Syntheses, Magnetic Properties, X-ray Crystal Structural Analyses, and DFT Calcuations2006
Author(s)
X.M.Ren, Z.P.Ni, S.Noro, T.Akutagawa, S.Nishihara, T.Nakamura, Y.X.Sui, Y.Song
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Journal Title
Cryst. Gtowth & Des 6
Pages: 2530-2537
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[Journal Article] Quai-one-dimentional molecular magnets based on derivatives of (fluorobenzyl) pyridinium with the [M(mnt)_2] monoanion (M=Ni, Pd or Pt; mnt(^<2->)=maleonitrileditiolate) : Syntheses, crystal structures and magnetic properties2006
Author(s)
X.Ren, S.Nishihara, T.Akutagawa, S.Noro, T.Nakamura, W.Fujita, K.Awaga, Z.Ni, J.Xie, Q.Meng, R.Kremer
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Journal Title
Dalton Transaction 16
Pages: 1988-1994
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