2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16074202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐多 教子 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20271984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 史匡 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00361113)
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Keywords | 超格子 / ナノ材料 / PLD / 表面・界面物性 / 燃料電池 / プロトン導電体 / ペロブスカイト型酸化物 / 人工格子 |
Research Abstract |
SrZrO_3(SZO)はY,Scなどの4価のZrサイトを3価の陽イオンで数%置換すると優れたプロトン伝導性を示すことが知られているが、ドーパントイオンはプロトンを導入するための電荷補償としての役割だけでなく、結晶内でのプロトンの挙動にも大きな影響があると考えられている。そこで、ドーパント層を周期的に挿入することによって、ドーパント-ドーパント間距離とプロトン導電性の考察やドーパントサイト周りのプロトンの挙動についての知見を得ることを目的として、本年度はパルスレーザデポジション(PLD)法を用いてドーパント層を周期的に挿入した人工格子の作製を行った。 単結晶基板上でエピタキシャルなSZO薄膜の成膜条件を求め、SZO層とY_2O_3ドーパント層を交互に積層することで人工格子(SZO-Y)を作製した。 Yの割合が5mol%程度となるように1周期の厚さがSZO 19nm/Y_2O_3 0.5nm (SZO-Y:0.5)のものとSZO 38nm/Y_2O_3 1nm (SZO-Y:1)のものを、全体の膜厚がおよそ200nmとなるように作製した。SrTiO_3(001)基板上ではSZO、SZO-Yの(002)面のXRDロッキングカーブの半値幅はどちらも0.1゜程度でY層を挿入してもエピタキシー、結晶性共に非常によい人工格子が作製されていることがわかった。また、面内方向ではY層がある場合もSZO単層のものと同じである一方、成長方向ではSZO-Y:1ではSZO単層との差はほとんど認められないがSZO-Y:0.5では0.4%格子が広がるという違いが見られた。また、高分解能電子顕微鏡により人工格子断面を観察し、Y層が周期性よく挿入された人工格子が作製されたことが確認できた。
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Research Products
(3 results)