2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16074203
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大塩 寛紀 筑波大学, 大学院数理物質科学研究科, 教授 (60176865)
|
Keywords | 金属錯体 / 多核錯体 / 磁性 / 配位空間 / スピン平衡 |
Research Abstract |
金属錯体は配位結合などの強い結合や分子間の電荷移動相互作用・双極子相互作用・ファンデルワールス力・水素結合などの弱い相互作用により空間(配位空間)を創る.配位空間は、空間を作る金属イオンの配位構造・電子状態を制御することにより,特異な形状と電子状態をもつ空間設計が可能である.本研究では,多彩な電子状態をとり得る金属イオンの特長に着目し、多様な磁気的・電気化学的性質を示す次の外場応答性配位空間を構築した. (1)スピン平衡多孔性結晶におけるゲスト分子による可逆な磁性スイッチ 嵩高いフェロセニル基をもつ新規三座配位子(dppFc)をもちいることで、一次元チャンネル構造をもつスピン平衡錯体[Fe(dppFc)_2](BF_4)_2・2Et_2Oを合成した.本錯体は結晶性を保ちつつジエチルエーテル分子を可逆に出し入れし,熱およびゲスト分子に応答し常磁性と反磁性を自在に変換可能な外場応答性配位空間であることを見出した. (2)多段階酸化還元挙動を示すキューブ状シアン化物イオン架橋8核錯体の合成 四段の可逆な酸化波をもつシアン化物イオン架橋八核錯体,[Fe^<III>_4Fe^<II>_4(CN)_<12>(tp)_<12>]を合成し,本錯体は,キュバン状の混合原子価錯体であり,ゲスト小分子を取り込むことにより外場応答性配位空間を形成することを明らかにした.
|
Research Products
(3 results)
-
-
[Journal Article] Molecular Conductor Based on Reduced π-system Donor : Insulating State of (MeDH-TTP)_2AsF_62006
Author(s)
H.Nishikawa, H.Sekiya, A.Fujiwara, T.Kodama, I.Ikemoto, K.Kikuchi, J.Yamada, H.Oshio, K.Kobayashi, S.Yasuzuka, K.Murata
-
Journal Title
Chem.Lett.
Pages: 912-913
-