2007 Fiscal Year Annual Research Report
配位空間を活用したヘテロ分子集合体の構築と特異な光・磁気相乗効果の創出
Project/Area Number |
16074205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 憲道 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60149656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 真哉 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (70345065)
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Keywords | 有機・無機複合錯体 / 電荷移動相転移 / 強磁性 / 光誘起磁性 / 混合原子価 / 光異性化分子 / スピンクロスオーバー / 配位空間 |
Research Abstract |
本研究では、配位空間を反応場として活用することにより光応答性を示す有機分子と特異な磁気的性質を有する集積型金属錯体を組み合わせたヘテロ分子集合体の開発を行った。特にスピンクロスオーバー現象を光照射をスイッチとして用いることで制御するという観点から、以下のような研究を行った。1.スピンクロスオーバー領域では配位子場の変化によって高スピン/低スピン状態を可逆的に実現することができることから、これまでに光異性化部位を含む配位子を利用して、光照射により配位子場を操作することで光誘起スピン転移を試みてきた。この光異性化配位子に対して光異性化のための反応空間形成を目的とした置換基導入や、電気陰性度調整、パッキング制御のためのハロゲン導入といった修飾を見据えて、配位子の構築ルートの確立を行った。2.配位子場がスピンクロスオーバー領域にある非対称配位子mto(=C_2O_3S),dto(=C_2O_2S_2),tto(=C_2OS_3)で架橋した種々のFe混合原子価錯体を開発し、電荷移動転移とスピンクロスオーバー転移が連動した特異な相転移現象のメカニズムを解明すると共に、対イオンとして光異性化分子を取り込み、光異性化を媒介とする電荷移動相転移および強磁性-反強磁性変換の開拓を目的として、mto/dto-Fe錯体の構築を行った。この物質はこれまで、合成過程における配位子の連結異性により磁性の異なるFeサイトの混入が見られたが、今回反応条件の改善により純粋な錯体の合成法が確立された。この段階を踏まえて、Feの電子状態を明瞭に帰属できるmto/dto/tto錯体を開発し、その層間に光異性化分子を挿入することで光によるFeサイトの電子状態の変化を追跡することが可能になると考えられる。
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Research Products
(11 results)