2007 Fiscal Year Annual Research Report
特異的な配位凝集空間による"非平衡"反応場アナログの実現に関する理論的研究
Project/Area Number |
16074207
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長岡 正隆 Nagoya University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50201679)
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Keywords | 自由エネルギー勾配法 / GCMC法 / 分子力学 / 非経験的分子軌道法 / 平面波基底密度汎関数法 / ナノ空間化学 / ミクロエントロピー / 構造最適化 |
Research Abstract |
(1)文献調査、実験結果の吟味、基礎データの収集と、領域内研究の有機的結合: 多孔性配位高分子の典型例として、一次元細孔をもつCPL-1([Cu_2(pzdc)_2pyz]_n)(pzdc:pyrazine-2,3-dicarboxylate, pyz: pyrazine)、CPL-2([Cu_2(pzdc)_2bpy]n)(bpy: 4,4-bipyrazine)、及び[Zn_2(bdc_2ted]_n (bdc:1,4-benzenedicarboxylate、ted: triethylenediamine)における配位空間のミクロ物性を評価した。さらに、非平衡統計力学的観点から再考・吟味して、ミクロ理論との対応を探求し、吸着分子誘起枠構造変形の効果を取り入れることの必要性が明確になった。 (2)配位空間内での吸着を表す分子力場-量子化学計算に基づく再調整: 実験・理論両面の論文等の調査や班友との議論をさらに展開すると共に、酸素分子O_2、窒素分子N_2に加えて、アセチレンC_2H_2のab initio分子軌道法計算(B3LYP/6-31++G**など)を元に、有効作用点モデルを作成しようとしたが、計算時間が予想以上に必要となり未完成である。 (3)分子結晶におけるナノ空間特性に関する研究: 孤立メチルリチウム四量体-二量体二単位間の解離過程に伴ったポテンシャルエネルギー曲線を再現する力場パラメータを用いて、有機溶媒(THFなど)中の四量体から二量体二単位への解離過程の自由エネルギー曲線を求めた。現在、論文執筆中である。 (4)モンテカルロシミュレーションによる吸着過程に関する研究: ab initio分子軌道法計算の計算結果をもとにCPL-1結晶中のピラジン環二面角を可変とする力場パラメタを再調製を試みた。プログラム上の制約のため、その力場パラメータを用いたCPL-1-O_2系のGCMCシミュレーションは実現できていない。O_2の配向とピラジン環の傾きとの関係に考察した。途中経過を国際会議で発表した。国際欧文誌にまとめて報告する予定である。
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Research Products
(28 results)