2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16074215
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
芳賀 正明 中央大学, 理工学部, 教授 (70115723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊 智奈 中央大学, 理工学部, 助手 (00365884)
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Keywords | 自己組織化膜 / DNA / ルテニウム錯体 / ナノワイヤ / ホスホン酸基 / インターカレーター |
Research Abstract |
表面での自己組織化を利用したナノアレイ構造を作るためには、最初の第一層の分子配列および分子配向が重要である。我々は、基板上での分子の配向を制御するためにアンカー基として4個のホスホン酸基をもつ4脚型三座配位子XPを新たに合成した。また、XP配位子をもつ一連の金属錯体ユニットも合成した。平滑化酸化インジウム・酸化スズ電極(ITO)を錯体溶液に浸して自己組織化膜を形成させ,原子間力顕微鏡(AFM)で観察したところ、錯体分子は直立していると推定できる。この表面に固定した分子で、溶液中からの高分子などを捕捉してワイヤリングする方法の開発を目的として、XP配位子をもつ[Ru(XP)(tpy-R)]型錯体の置換基RにDNA二本鎖を捕捉できるDNAインターカレータ部位を持たせて、溶液中からのDNAを捕捉して表面でのナノワイヤリングを行い、これをテンプレートとした金属ナノワイヤの作成について検討した。今回合成した錯体はDNAインターカレータ部位としてナフタレンジイミド、アクリジンなどを用いた。マイカ基板上へ疎らに錯体を自己組織的に吸着させた場合には、マイカ基板そのままの場合では接触角は20.3°、オクチルホスホン酸を100倍量溶液に加えて表面を疎水処理した基板では接触角は51.8°になった。AFM観察では錯体の分子モデリングから予想される高さに対応したドットが観察された。これら二つの性質の異なるマイカ基板上で、DNA溶液と基板を接触させてメニスカス法を利用してDNAの伸張固定を行なった。親水性の基板では、錯体のドット間をジグザグに結んだイメージが得られた。一方、疎水性の基板ではDNAが伸張して観察された。次に、金電極を4μm離したパターン化した酸化処理したシリコン基板上でのDNAの固定化を検討した。金基板上にはチオールが選択的に吸着し、シリコン基板の酸化膜上にはホスホン酸基が結合しやすい選択性を利用して、まずパターン基板上をアルキルホスホン酸基で被覆し、次にチオブチルホスホン酸で金電極上を被覆して,さらにZr(IV)イオンの錯形成を利用してDNAインタカレータをもつ錯体を積層化した後にDNAのワイヤリングを試みたところ、金電極間をDNAがワイヤリングしていることが確認できた。このDNAワイヤをPdナノ微粒子で被覆し、さらに無電解メッキにより銅メッキでナノサイズの銅ナノワイヤの作製に成功した。
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Research Products
(3 results)