2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16074215
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
芳賀 正明 中央大学, 理工学部, 教授 (70115723)
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Keywords | 表面錯体 / 積層膜 / DNAワイヤ / 自己組織化膜 / コンビナトリアル化学 / 分子アレイ / 分子ナノテクノロジー |
Research Abstract |
錯体分子を基本ユニットとした固体表面上でのボトムアッブ法による分子ナノアレイ,特に、"分子点","線"、"面"などのナノ構造の構築およびそれらの構造を利用した機能性の発現を目的に検討している。(1)表面での縦方向における積層膜でのコンビナトリアル化学的手法による電子移動の制御、(2)横方向の分子配列制御として、パターン基板上での分子ナノワイヤリングについて検討している。当該年度は、応答可能な層を導入することで動的にスイッチング可能な表面積層膜の構築および電荷トラップを利用した分子メモリとして、電極上に固定したRu(II)-Fe(II)状態の錯体に電位パルスを印加して、Ru(II)-Fe(III)状態として書き込み、情報の読み出しは光照射時に流れる電流の方向として読み出すことができる分子メモリ機能を有する表面錯体分子系の合成に成功した。また、パターン基板上でDNAをテンプレートとした分子ナノワイヤリングについて検討した。四脚型XP配位子をもつ[Ru(XP)(tpy-R)]型錯体の置換基RにDNA二本鎖を捕捉できるDNAインターカレータ部位としてアクリジン基を持たせて、溶液中からのDNAを基板の垂直引き上げ法により捕捉した。マイカ基板上での錯体濃度を多くしていくにつれて、捕捉されるλ-DNAの本数も増加する。表面錯体がない場合には、水による洗浄により簡単に剥がれ落ちるが、表面錯体がある場合には剥がれ落ちない。しかし、DNAを表面固定したマイカ基板を90℃のバッファー溶液中に10分間浸漬すると、二重鎖DNAは変性により剥がれる。この溶液を常温まで冷まし、再び表面錯体の吸着した基板を引き上げると、DNAを再度表面固定できた。金をパターニングしたSiO_2基板にDNAをテンプレートとしてPdナノ微粒子を被覆した後に、これを触媒核としてCuの無電解めっきを行うことが可能である。Pd被覆したDNAワイヤはDNAの2重らせん形状を反映するように、凹凸をもち被覆されることがわかった。
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Research Products
(4 results)