2004 Fiscal Year Annual Research Report
配位空間場制御材料の創製とそのエネルギーデバイスへの応用展開
Project/Area Number |
16074219
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
蔭山 博之 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 主任研究員 (80356758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 勝裕 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 主任研究員 (60357754)
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Keywords | イオン導電体 / ナノ材料 / 電気・電子材料 / 結晶構造解析 / 燃料電池 |
Research Abstract |
我々は、これまでに高い信頼性を持つ、高性能なエネルギーデバイスの開発に資するために、金属酸化物材料などの導電性材料の導電特性を温度、酸素分圧及び水素分圧の関数として統一的に表示する「電荷担体マップ」の研究を進めてきた。今年度は、ランタンスカンデート系ペロブスカイト型化合物(La_<0.8>Sr_<0.2>)ScO_<3-δ>(以下LSS82)の導電特性を詳細に検討し、その「電荷担体マップ」を作成した。具体的には、種々の酸素分圧、水蒸気分圧及び重水蒸気分圧下、300〜1000℃の温度範囲で交流四端子法を用いた全導電率測定を実施し、取得データを欠陥平衡モデルに基づき解析し、導電を支配する各電荷担体(酸化物イオン、水素イオン、ホール、電子など)が等しい導電率を示す(=等輸率)境界条件を、温度、酸素分圧及び水素分圧の関数として図示することを試みた。その結果、例えば600℃のカソード条件及びアノード条件ではいずれもプロトン伝導が支配的であり、このランタンスカンデート系ペロブスカイト型化合物系材料が中温域の燃料電池の電解質材料として使用可能なことが分かった。 一方、LSS82焼結体の様なセラミックス材料の導電特性をより正確に評価するためには、相対密度(X線密度に対する嵩密度)95%以上の緻密焼結体が必要である。しかし、ランタンスカンデート系化合物(La_<1-x>Sr_x)ScO_<3-δ>(0≦X≦0.5)は難焼結性材料であり、電気炉を用いた従来の作製法では、相対密度80%程度の焼結体しか得られていなかった。今年度、サブミクロン及びミクロンオーダーの粒子を混合して焼結することにより、相対密度95%以上の緻密焼結体を得ることを試みた。その結果、混合粉末を用いた場合、空気中、1600℃、10時間焼結により、相対密度98.2%の緻密焼結体を得ることができた。
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Research Products
(6 results)