2006 Fiscal Year Annual Research Report
分子導入されたナノ機能空間の電子密度レベルでの構造
Project/Area Number |
16074220
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高田 昌樹 独立行政法人理化学研究所, 高田構造科学研究室, 主任研究員 (60197100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 佳基 大阪府立大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (50254371)
加藤 健一 財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門動的構造チーム, 研究員 (90344390)
大石 泰生 財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 主幹研究員 (20344400)
田中 宏志 島根大学, 総合理工学部物質科学科, 助教授 (10284019)
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Keywords | MEM / 放射光 / 電子密度 / 集積型金属錯体 / 吸着 / 静電ポテンシャル |
Research Abstract |
放射光を用いた粉末X線回折により、集積型金属錯体CPL-1のナノ細孔にアセチレンを吸着させ、化学結合で吸着されていることを昨年度見出した。今年度は、アセチレンの吸着の途中過程の構造を明らかにすることに成功し、中間状態ではアセチレン分子はナノ細孔と結合せず分子の配向も異なっていることがわかった。この研究成果は、Angew.Chem.Int.Edに発表され、日刊工業新聞などでも報道された。また、放射光粉末回折データからMEM/Rietveld法により明らかになった実験電子密度から、静電ポテンシャルを明らかにする解析法の開発を行い、典型的なイオン結合の物質などで結果の信頼性を確認した。この方法は、電荷秩序などの観測には威力を発揮するものと思われる。 この方法を用いてナノ細孔の静電ポテンシャルを明らかにし、その空間への分子吸着と静電ポテンシャルの形状との相関について、現在検討を始めている。CPL-1のナノ細孔ではポテンシャルの高いところと低いところがあり、物理吸着である酸素分子はポテンシャルの低いところへ、化学吸着であるアセチレンはポテンシャルの高いところへ吸着している様子が明らかになってきた。 別の物質系で、フラーレン分子のナノ空間へ導入された、金属分子や金属カーバイド分子の構造についても明らかにした。そして曲がった形の金属カーバイド分子Sc_2C_2、Y_2C_2が(Sc_2C_2)@C_<82>(III)と(Y_2C_2)@C_<82>(III)に内包されていることが明らかにされた。
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Research Products
(15 results)