2004 Fiscal Year Annual Research Report
地震波トモグラフィーによる滞溜スラブの高分解能イメージング
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16075208
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
末次 大輔 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, グループリーダー (20359178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深尾 良夫 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, センター長 (10022708)
坪井 誠司 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, プログラム・ディレクター (90183871)
大林 政行 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (30359179)
竹内 希 東京大学, 地震研究所, 助手 (90313048)
東野 陽子 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (90359183)
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Keywords | スタグナント・スラブ / マントル遷移層 / トモグラフィー / 660km不連続面 / D"層 / 広帯域地震観測 / プレート沈み込み帯 / 西太平洋 |
Research Abstract |
1.データセンター立ち上げ準備 17年度後半からのロシアにおける広帯域地震観測データ取得に備えて、データセンターの立ち上げに必要なサーバー、ハードディスク、バックアップ装置等を準備した。 2.西太平洋マントル構造の推定 (1)実体波解析による西太平洋のマントル深部速度構造 既存のロシアP到着時刻データをISCに追加し、P波走時トモグラフィーの極東ロシア域における沈み込むスラブの分解能を向上させた。P波走時トモグラフィーや波形解析により、北西太平洋(沈み込み帯の海側)のマントル遷移層付近に低速度域を確認した。また、S,ScS,SKS走時解析により西太平洋最下部マントルに局所的低速度層を発見した。 (2)表面波解析によるフィリピン海上部マントル構造 レイリー波(基本モード+1-3次高次モード)解析により、フィリピン海の3次元Sv波速度構造を推定した。マリアナ海盆の下に深さ200kmにも及ぶ低速度域があることがわかった。また、フィリピン海下に沈み込む太平洋スラブのイメージも得られた。 (3)西太平洋沈み込み帯のマントル不連続面凹凸 Hinetデータを用いたScS反射波解析により、日本列島下410,660km不連続面の凹凸を面的に推定した。西日本の滞留スラブの位置で660km不連続面が深くなっていることが分かった。BBOBS、F-net、JISNETデータの解析により、沈み込み帯(フィリピン海、日本、スンダ弧)の410,660km不連続面の深さを推定し、トモグラフィー像との比較により温度と水含有率分布を推定した。フィリピン海のマントル遷移層が低温であると共に多くの水を含むことという結果を得た。
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Research Products
(14 results)