2006 Fiscal Year Annual Research Report
地震波トモグラフィーによる滞溜スラブの高分解能イメージング
Project/Area Number |
16075208
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
末次 大輔 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, グループリーダー (20359178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深尾 良夫 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, センター長 (10022708)
坪井 誠司 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, プログラムディレクター (90183871)
大林 政行 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (30359179)
竹内 希 東京大学, 地震研究所, 助手 (90313048)
東野 陽子 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (90359183)
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Keywords | スタグナント・スラブ / トモグラフィー / 波形インバージョン / 沈み込み帯 / マントル遷移層 |
Research Abstract |
1,滞留スラブの長波長S波速度構造 長周期波形インバージョンにより、グローバル3次元マントルS波速度構造を波長2000kmの分解能で求めた。震源パラメータの誤差による速度構造へのバイアスを小さくする手法を開発し、西太平洋沈み込み帯の滞留スラブを鮮明に捉えることができた。 2.滞留スラブのS波速度異常 従来、ISCの短周期S波データのトモグラフィーでは滞留スラブを捉えることはできなかった。日本や中国の波形記録からS波到着時を直接読み取り、走時残差を計算した。既存のP波モデルに基づいてS波モデルをつくり理論走時残差を計算したところ、滞留スラブのS波速度異常は2-3%であることが分かった。 3.滞留スラブの微細形状 西太平洋域の広帯域観測データからP波到着時を読み取り、ISCのP波データに加えてトモグラフィーを行った。得られた滞留スラブのイメージから、滞留スラブが660km不連続面に接して滞留しているのではなく、不連続面の上に浮くように滞留していることがわかった。 4.日本列島のマントル異方性 防災科研Hinet傾斜計データのScS波スプリッティング解析から、日本列島のマントル異方性分布を明らかにした。マントルウェッジでは火山フロントの海側ではスラブ沈み込みに直交する方向に速く、フロントの陸側では沈み込み方向に平行する方向に速い。また、スラブ内部では、海嶺でのプレート拡大軸に平行に速い異方性があることがわかった。 5.下部マントル反射面の検出 マリアナ深発地震のHinet記録から、複数の顕著なP波後続波を検出した。アレイ解析から後続波の到来方位とスローネスを求めた。スローネスや振幅の大きさから、震源直下の下部マントルにおけるSp変換波であることがわかった。推定された変換面は深さ700-950kmに複数分布する。 6.データセンター 秋より特定領域研究者向けのデータセンターを立ち上げ、極東ロシアデータを公開した。
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Research Products
(6 results)