2004 Fiscal Year Annual Research Report
ダストから太陽系外惑星に至る物質進化の実験および理論的研究
Project/Area Number |
16077203
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 哲生 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (10126196)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 誠一郎 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (50230967)
墻内 千尋 立命館大学, 理工学部, 教授 (80027812)
荒川 政彦 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10222738)
渡部 直樹 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (50271531)
|
Keywords | ダスト / 原始惑星系 / ディスク / 宇宙物質進化 / 赤外線天文学 / 粒子生成 |
Research Abstract |
室内実験と理論的研究の密接な連携によって,物質進化の観点から惑星系形成論の普遍化に寄与するとともに,原始惑星系円盤におけるダストから惑星への成長過程の解明や系外惑星の発見につながる様々な観測情報を読み解く物質科学的ツールを開発する.特に以下のテーマに焦点を絞った研究を遂行する:a)ダスト生成と熱変成およびダスト表面分子反応の素過程の明確化,b)原始惑星系円盤条件下でのダスト粒子の衝突付着条件の明確化,c)ダスト候補物質の赤外分光測定とそのデータの蓄積,d)物質科学的研究を基盤とした数値シミュレーションによるダストから惑星への成長の描像の確立. 今年度は以下の研究成果が得られた: a)ダスト生成に関連して,凝縮した粒子の結晶化,粒子サイズと赤外スペクトルとの相互関連をTiC粒子について実験的に明らかにした.また凝縮粒子の形態を実験室で直接観測するシステムを完成し,アモルファス・シリケート酸化物粒子についてその実験を行なった. b)原始惑星系円盤条件下でのダスト粒子の衝突付着条件や衝突現象に関連して,氷とシリケートの混合物について衝突実験を行ない,両者の分別過程についての実験的研究を行なった.またコンドルールの形成に関して,液滴の衝突実験を行ない,その分裂過程や分裂片のサイズ分布に関する実験を行なった. c)惑星系形成前のダスト表面化学に関して,H2O+CO氷表面における水素付加反応の実験の解析を行ない反応定数の決定を行なうとともに,反応機構やH2O+CO氷中における水素原子の拡散係数を見積もった.さらにCO氷表面における水素付加反応や重水素の濃縮に関する実験を行ない,有効な濃縮機構を見出した. d)従来見落とされてきた星風による抗力が原始惑星系円盤のダストの寿命を決定するうえで重要であることを指摘し,その過程の定式化を行なうとともに,寿命の計算を行なった.
|
Research Products
(7 results)