2005 Fiscal Year Annual Research Report
希土類-鉄系パノスコピック組織体の創製とGHz帯域対応電磁波吸収能の高度発現
Project/Area Number |
16080202
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉本 諭 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10171175)
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Keywords | 希土類-鉄系化合物 / 電磁波吸収体 / 不均化反応 / 共鳴周波数 / 反射損失 / 透磁率 / 微細化 / fd積 |
Research Abstract |
【目的】本年度は、希土類-鉄系化合物の不均化処理により得られるFe/希土類化合物組織を利用した電磁波吸収体のさらなる薄型化について検討した。 【方法】薄型化には、磁化を高める必要があり、(1)不均化粉末自体の磁化を高めること、(2)樹脂複合体中の磁性粉の充填率を増加させること、の2点が重要となる。(1)についてはFeとの合金化で飽和磁化が上昇する元素にCoがあることから、Feの一部をCoで置換したSm-(Fe,Co)化合物を不均化処理すること、(2)の充填率に関しては、粉末をカップリング処理し、樹脂中での分散性を高める方法を用いた。得られた結果をまとめると以下になる。 【結果】(1)Feの20%をCoで置換したSm_2(Fe_<0.8>Co_<0.2>)_<17>化合物を973Kで窒素中不均化処理し、523Kで大気中酸化処理した不均化粉末を用い充填率80mass%で作製した樹脂複合体は、6.10GHzにおいて磁気損失μ_r"MAX=1.79を示した。この値はCo無置換試料に比べて11%高い値である。本試料では、f_m=0.82〜1.82GHz(d_m=7.5〜3.3mm)の範囲でRLが-20dB以下となり、整合条件を満たした。特に、d_m=4.88mmの時にf_m=1.25GHzでRLが-55dBと最大の電磁波吸収を示した。また、fd積は6.1GHz・mmであり、Co無置換の試料に比べて30%小さい値となった。 (2)973Kで窒素中不均化処理後、523Kで大気中酸化処理したSm_2(Fe_<0.8>Co_<0.2>)_<17>粉末をシランカップリング処理して、粉末充填率を90mass%まで増加させることにより、f_r=5.77GHz、μ_r"MAX=2.51の磁性損失が得られた。また、f_m=1.26〜2.10GHz(d_m=3.6〜2.3mm)の範囲でRLが-20dB以下となり、整合条件を満たした。最大吸収はd_m=2.80mmの時に得られ、f_m=1.70GHz、RLmin=-46dBであった。更に、この試料のfd積は4.9GHz・mmと、平成16年度、17年度で得られた中では最小の値を示した。
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Research Products
(3 results)