2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16081207
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
野尻 美保子 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (30222201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 達夫 京都大学, 大学院理学研究科, 助手 (60322153)
前川 展裕 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助教授 (40273429)
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Keywords | 素粒子論 / 素粒子実験 |
Research Abstract |
1)LHC実験においては、超対称粒子、ヒッグス粒子などが多数生成される。生成崩壊分布を測定する等の方法によって、これらの粒子の性質を明かにすることがLHC実験で可能であるかどうかを調べることが本研究の目的である。特に今年はゲージメディエーション模型で予想される準安定荷電超対称粒子の崩壊先の粒子の性質(グラビティーノ、またはアクシーノであるかの決定)を3体崩壊パターンから決定することが可能か、また二対崩壊で、τ粒子のエネルギー分布を図ることで、グラビティーノ等の質量の決定が行えることを明らかにした。CMS実験のA.de Roecks氏との共同研究をすすめ、CMS実験で新しい測定器を追加する可能性について検討をすすめつつある。 2)超対称粒子の質量等の決定から暗黒物質密度を制限する可能性について検討を行い、様々なパラメータの不定性がもたらす暗黒物質密度に対する影響について検討を行い、論文として発表した。 3)O(10)GeV程度の電子ビームは暗黒物質と衝突することによって、スカラー電子を生成する可能性が、この機構を利用した、暗黒物質の探索の可能性や、この実験を行うために必要なスカラー電子質量の決定の可能性について考察し、論文として発表した。 4)超対称模型は高次元の模型に広げることでMSSMとはことなる様相を示す可能性が指摘されている。このような模型の一つであるデラックゲージーノ質量項がある場合について、現象論的な研究を京都大学学生の竹内と行った。LHCではスカラークオークの対生成過程があり、この大きさはマヨラナ質量に比例するため、この過程の散乱断面積を測定することでゲージーノの質量のマヨラナ、ディラック性について調べるkとおができる。散乱断面積の特性について定量的な研究をおこない論文にまとめつつある。 6)KKLT模型のような縮退した超対称模型における現象論について研究をおこなった。このような模型では、標準模型のBGの理解がより重要になることがあきらかになった。この研究については論文にまとめつつある。
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