2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16081207
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
野尻 美保子 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (30222201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 達夫 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60322153)
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Keywords | 素粒子論 / 素粒子実験 / 暗黒物質 / LHC |
Research Abstract |
1)LHCにおいては多種多様な素粒子が生成され、同じシグナルであっても生成過程が異なる場合が多い。このため、シグナルの構造をより深く理解することが、LHC実験のデータから新しい素粒子の性質を決定する上で重要となる。この観点から今年度はヘミスフェアー解析についての研究を行った。ヘミスフェアー解析とは、LHCのeventを2つのアクティビティに分割する数値的なアルゴリズムであって、相対論的に運動する素粒子の2体から2体の生成過程においては、大変効率よく働く。われわれはこの方法をTパリティをもつLittle Higgs模型のトップパートナー生成シグナルに適応し、この方法がトップパートナーの崩壊からくるトップクオークを効率よく同定し、さらに、標準模型の粒子の生成からくるバックグラウンドを落とすのに役立つことを発見した。さらに、このヘミスフェアー解析をsame sign 2 leptonを含む過程に応用し、スカラークオーク対生成とスカラークオークとグルイーノの随伴生成ではヘミスフェアー内のジェット分布が異なることを明らかにした。2)電荷をもった超対称粒子が準安定で、グラビティーノなどの最も軽い超対称粒子に崩壊する場合に、CMS、アトラスのようなLHC実験の測定器の周辺に大きなストッパーを導入して、電荷をもった準安定粒子を止め、その崩壊を詳しく調べる方法を明らかにした。 3)Superstring模型において期待されるMixed Modulus Anomaly mediation模型について研究を行った。
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