2006 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚障害者の情報支援ニードの実態調査と認知学的見地からの提言
Project/Area Number |
16091212
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
神田 和幸 中京大学, 教養部, 教授 (70132123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 大介 愛知医科大学, 看護学部, 助教授 (00329822)
木村 勉 豊田工業高等専門学校, 情報工学科, 講師 (80225044)
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Keywords | 聴覚障害者 / ニード調査 / 障害者雇用 / 緊急時対応 / 顧客対応 |
Research Abstract |
昨年度は聴覚障害者側のニードを調査したが、サービス側はそれらのニードをどのように受けとめているかを調査した。全国の上場企業・非上場企業8,060社に郵便でアンゲートを送り、企業側の意識を調査した結果、回収率は7%、578社から回答を得た。回答企業についての結果分析概要は、(1)障害者雇用促進法の存在は90%が知っていたが、実際に聴覚障害者を雇用している企業は28%に過ぎなかった。また今後の雇用予定もない企業がほとんどである。社員として雇用していないので、対策も何も採られていない。一方、顧客としての聴覚障害者についても、ほとんど認識がない。客とのトラブルが何もないという回答が93%であり、聴覚障害者側のニードと大きな差があり、障害者側が一方的に我慢している実態がうかがえる。さらに問題なのは緊急時の対応も何もなされておらず、対策もとられていない。これは事故などにおける聴覚障害者の罹災率が高いことが世間に認識されておらず、緊急に改善を要する事柄である。 聴覚障害者のニード調査で救急車やパトカーの音の区別ができる装置が多かったが、こうした具体的な機器開発は当該研究グループ(聴覚班)内の会合で情報を交換しており、医療現場でのディスプレイの研究として発表され、また緊急音識別装置への研究へとつながった。 本研究では分析成果を元に、センター型手話通訳システム、要約筆記システムなどを提案してきた。それらの提言をさらに進展させ、画像提示ソフトへの発表文字挿入など、聴覚障害者の会議参加を容易にするシステムの研究に継続させていく計画である。
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Research Products
(7 results)