2005 Fiscal Year Annual Research Report
点字触読時の触圧と運指に注目した効率的な点字触読指導法の考案
Project/Area Number |
16091217
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Research Institution | The National Institute of Special Education |
Principal Investigator |
渡辺 哲也 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 教育支援研究部, 主任研究官 (10342958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 進 独立行政法人国立特殊教育総合研究所, 企画部, 総括主任研究官 (40321591)
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Keywords | 視覚障害者 / 点字 / 触圧 / 読み速度 / 単語親密度 / 感圧導電性インク / 6軸力センサ |
Research Abstract |
本研究の目的は,視覚障害者が点字を読むときの触圧(読み指が点字に触れる力の強さ)を計測し,これと読み速度との関係を明らかにすることである。このために,以下の研究を実施してきた。 1.読材料の難易度の調整 読材料の難易度を統制するため,小学校国語教科書と中学校社会教科書の文章から,意味が通じる程度に段落を抽出し,そこに含まれる単語の親密度をデータベースから求めた。この結果,高い親密度の単語で構成されていることを確認した文章を読材料とした。 2.両手読みと片手読みの速度の比較 測定システムの制約により,点字読者には片手の指1本で点字を読んでもらう必要がある。普段とは異なる読み方の読み速度への影響をみるため,片手及び両手の両方法で読んでもらったところ,両者の間で読み速度に差異のないことを確認した。 3.面圧力分布測定システムを用いた触圧の測定 感圧導電性インクの原理による面圧分布測定システムを用いて,点字読者5人の触圧を測定した。5人の読み速度は7.51〜10.87マス/秒と速く,全員が点字読み熟達者である。この5人に利き手の示指1本で読んでもらったときの触圧は,1人が80〜90gf,ほかの4人が10数gfであった。行を移る際に力が抜ける様子や,行読みの途中でも微細な変動が見られることが明らかになった。 4.6軸力センサを用いた触圧の測定 校正と実験を繰り返す中で,面圧力分布測定システムでは精度の高い定量的触圧測定が難しいことがわかった。より高精度な測定のため6軸力センサを用いた触圧システムを構築した。定期的な校正の結果,安定した測定が可能であると判断した。ただしセンサの1点支持では測定面上の位置により出力値に変動が出る。そこで6軸データ全て(x,y,z方向の力及び回転モーメント)を用いて接触位置の推定を行った後,位置ごとの補正値を算出する手法を採用した。この6軸力センサで測定した触圧データを現在解析中である。
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Research Products
(2 results)