2008 Fiscal Year Annual Research Report
量子ドットから量子結晶へ:2次元、3次元ナノ粒子結晶の創成と展開
Project/Area Number |
16101003
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
木村 啓作 University of Hyogo, 大学院・物質理学研究科, 教授 (70106160)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬越 健次 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 教授 (10116098)
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Keywords | ナノ粒子 / 量子サイズ効果 / ナノ粒子結晶 / 単分子自己集積膜 / 自己集積超格子 / 金クラスター / 量子結晶 / 超格子構造 |
Research Abstract |
1)ナノサイズの金微粒子において系統的に水溶性の配位子MSA(メルカプトコハク酸)、GTR(グルタチオン還元型),MPG(メルカプトプロピオニルグリシン)を用いてポリアクリルアミドゲル電気泳動法を適用し、クラスターサイズの金ナノ粒子の分別を行った。特に分離の良いAu-GTRにおいては電気泳動移動度とクラスターの分子量の間に良い相関があることが分かった。 2)光学活性のAu-ペニシルアミンクラスター混合物をポリアクリルアミドゲル電気泳動法によりサイズ分別を行い、電気泳動移動度とサイズの間に負の相関があることを見いだした。円偏光二色性の温度依存性の測定を行い、配位子の金属コアへの電子的な影響を調べた。 3)昨年に引き続き、金ナノ粒子の配位子として各種の蛍光体色素を持つチオールを用いることにより、発光性の金超微粒子の作製を行った。本研究はインド工科大学マドラス校との共同研究であり生物学、医学方面への応用が期待されている。 4)MSAおよびMPG修飾金ナノ粒子の堆積膜を用いて電気伝導度の測定を20Kから室温まで行い、低温ではマクロなトンネル現象、中温では金属的な伝導、高温では活性化型の伝導を示すことを見いだした。Au-MPG集積膜の電気伝導度測定より、伝導度の温度依存性がコア金属のサイズの関数となっておりこれが表面配位子によるフォノンソフトニングによって良く実験が説明できることを示した。 5)サブミクロンのGeナノ粒子を出発原料として用い水溶液に均一分散するGeナノ粒子の作成法を開発した。ゲルマニウムのナノ粒子を表面修飾化により水溶性発光性ナノ粒子とし、これに赤、黄色から緑の各色を発光ダイオードにより照射し、バンドギャップの違いによる光酸化を利用してサイズを系統的に変化させる事に成功した。これは量子サイズ効果の産業応用につながると考えている。
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