2008 Fiscal Year Annual Research Report
新手法による高ベータ球状トカマクプラズマの生成及び維持
Project/Area Number |
16106013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高瀬 雄一 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70292828)
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Keywords | プラズマ・核融合 / 自己組織化 / 球状トカマク / ST / 高ベータ / プラズマ / 合体 / 高周波 |
Research Abstract |
TST-2では、イオンサイクロトロン高次高調波帯の波動でSTプラズマを維持でき、これが直接的電流駆動以外の機構によることを示した。プラズマ電流立ち上げ過程では、開いた磁場配位から閉じた磁気面を持つST配位が自発的に形成される。磁気計測,に基づく平衡解析の結果、電流分布が変化しない準静的トポロジー変化が起き、閉じた磁気面形成後に電流上昇率が械少することがわかった。波動吸収が弱いとプラズマ内に定在波が立ち、振幅が増大しパラメトリック崩壊不安定性が起きる。多チャンネル磁気計測による分布・偏波・波数測定、反射計による局所電場の評価、静電プローブによる密度・ポテンシャル揺動計測、高速光測定等の種々の波動測定を行い、これまで知られていない崩壊モードを見出したほか、励起波と崩壊波の間に非線形な関係があることが確かめられた。一方、励起波動の周波数拡がりはパワーに依存せず、密度揺動による多重散乱が原因であると考えられる。磁気プローブや静電プローブのRF周波数帯揺動データに対して相関解析を適用した結果、有意な三波結合が観測された。 UTSTでは、真空容器外に配置された上限2対のコイルが作る磁気中性点付近に2個のSTプラズマを中心ソレノイドを用いず生成し、軸対称合体させる。磁場は現状では0.1T程度であり、合体後は大半径0.4m、アスペクト比1.4程度、プラズマ電流は最高150kA程度の高ベータSTプラズマができていることがわかった。高ベータプラズマの達成はリコネクション加熱によると考えられる。合体・リコネクション加熱は同規模のTS-4装置のイオン温度、電子温度、密度分布の実測により、イオン加熱を中心とする4-5MWの加熱を確認している。しかし高ベータを維持できるのは数十アルフベン時間に限られるので、高ベータを維持するため、高周波加熱および中性粒子ビーム加熱の導入を行っている。
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