2004 Fiscal Year Annual Research Report
合成骨形成蛋白の骨形成能を臨床実用化するための統合的技術の開発
Project/Area Number |
16109009
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高岡 邦夫 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30112048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 弘嗣 済生会中津病院, 整形外科, 部長 (70254406)
香月 憲一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (80254407)
小林 章郎 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (70285287)
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Keywords | 骨形成 / 骨再生 / 骨形成タンパク / 人工関節 / 骨欠損修復 / 薬物伝達系 / 生体材料 / ポリマー材料 |
Research Abstract |
1.骨再生用活性人工材料の確立: 生体内で骨形成を誘発させる生物活性を有する「骨形成蛋白」(BMP)を用いて新しい骨再生技術を開発し臨床応用するのが本研究の目的である。骨再生を要する部位で局所的にBMPを作用させるための薬物伝達系(DDS)となる担体として至適な合成ポリマー(ポリ乳酸ポリエチレングリコール共重合体)の開発に成功した(Nature Biotechnology 19 2001)。このBMP担体と生体被吸収性材料であるβTCPとの複合体を作成し、骨再生活性を有する人工材料を開発し骨再生能力を証明した(J Biomed.Mater.Res.70(A):2004)。 2.骨再生活性複合人工材料によるウサギ四肢長管骨欠損再生: この人工複合材料でウサギ長管骨欠損修復再生が6-8週間で可能であること、さらに植えこんだ生体材料は16週で生体に吸収されて消失し、元来の解剖学的形態の骨格に復することを証明した(J Biom Mater Res.62:169-174,2002)。 3.欠損肋骨のBMP複合被吸収性人工材料による再生のイヌモデルでの成功 イヌ肋骨複数欠損の再生修復をBMP/ポリマー複合体を多孔性βTCP(シリンダー状)に含浸させて数珠状に連続したインプラントを用いて成功した。肋骨再生は比較的短期(4週)でほぼ完成し12週で元来の解剖学的形態に復した。 4.股関節周囲不定形骨欠損の再生技術とその有効性の検証 わが国では年間4万症例に人工股関節置換手術が行われている。しかしその耐用年数に限界があり、骨吸収が進行して破綻にいたることが多く、人工股関節再置換を余儀なくされる。その際、骨欠損が生じ、再置換の際の大きな問題となる。この問題の解決のため上記の骨誘導活性生体材料を利用するためのイヌ股関節周囲に臨床例に似せた骨欠損を作成し、骨欠損修復を行うことに成功した。
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Research Products
(7 results)