Research Abstract |
研究課題1:メタ情報環境を実現するアドホックネットワークの構築 研究課題1-1:コネクティビティを最大化する経路制御(研究分担者 今瀬眞,多田知正) 本年度においては,モバイルエージェント技術に基づいた経路制御アルゴリズムとしてアリの採餌行動に着想を得た経路制御手法に注目し,制御が簡単で,オーバヘッドが低く,また,ノード数に対する拡張性を有する自律分散型の経路制御アルゴリズムを提案し,従来のアルゴリズムと比較して1.8%程度のオーバヘッドでより短い経路を構築できることを示した. 研究課題1-2:モバイルアドホックネットワーク環境に適した輻輳制御(研究分担者 長谷川剛) 本年度においては,TCPコネクションが送受信しているデータ/ACKパケットを用いてエンド端末間の利用可能帯域,および物理帯域を計測するインラインネットワーク型計測技術を提案し,1-4 RTT程度の間隔で,高い精度を持つ計測結果を与えることができることを確認した.また,計測結果を用いて高度な輻輳制御を行うTCPの改善方式を提案した.さらに,本計測技術をアドホックネットワークへ応用するための基礎検討を行った. 研究課題2:メタ情報環境を実現するセンサネットワークの構築 研究課題2-1:電源管理を考慮した経路制御の実現(研究分担者 村田正幸) 本年度においては,局所的な情報のやりとりを通じたセンサ端末の自律的な判断により,残余電力を考慮した効率のよいクラスタを形成するクラスタリング手法を提案し,シミュレーションによる評価の結果,初期電力が均一,不均一に関わらず,クラスタベースのセンサ情報収集機構であるLEACHやHEEDよりも長期間にわたってセンサ情報の収集が可能であることを示した. 研究課題2-2:センサ情報収集機構の実現(研究分担者 若宮直紀) 本年度においては,パルス結合振動子モデルを応用することにより,拡張性,耐障害性,適応性,柔軟性があり,電力効率のよい,同期型センサ情報収集機構を提案し,シミュレーションにより提案手法の有効性を示すとともに,市販の無線センサ端末MOTE2への実装を通じ,無線通信の不安定性による提案手法の問題を解決し,その実用性を示した.
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