Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 恭裕 東京大学, 先端科学技術研究センター, 産学官連携研究員(特任准教授) (10376668)
山田 和明 東京大学, 大学院・情報学環, 科学技術振興特任教員(特任講師) (80345149)
小池 康晴 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (10302978)
佐藤 寛子 国立情報学研究所, 知能システム研究系, 准教授 (50291068)
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Research Abstract |
これまでの3年間で構築してきた,インタラクションプリミティブを中心とする,知識の創出と再構成のためのメデヤアインタラクション環境の枠組みを発展させる方向で研究を進めた。その目的は,より広範囲な問題領域に適応させ,かつ,その限界を見極めることである。具体的には,知識を創出し再構成するためにインタラクションをおこなう対象としての「情報の種類」を,操作履歴,コミュニケーション,リハビリテーションといった領域に適応させることにより,拡張していった。 まず,インタラクションヒストリと呼ぶ操作履歴を利用した知的創造活動に着目し,これまでに構築した枠組みを,時系列情報の表現と操作に必要となるインタラクションプリミティブへと展開した。また,視覚と聴覚,および触覚とを融合した表現系を考察するための題材として,形状や濃淡といった視覚情報のみでなく,スピードや強弱という,作業の過程を理解し再構成することが重要となる「書道」をとりあげた。本研究で構築した枠組みを応用することで,書道の再体験を促進するための視聴覚環境を構築することができた。 一方,より広く創造的知識活動の支援をおこなうためには,データや情報とのインタラクションが,シームレスに他の人間とのコミュニケーションヘと展開することができる必要性があることが認められた。人間をインタラクションの対象として取り扱う際には,データや情報といった「モノ」とのインタラクションとは異なる課題が存在する。ソシオテクニカルな視点を導入していくことで,構築した枠組みを,より一般的な知識創造活動に発展させることが可能であることを示すことができた。 最後に,筋電を操作インタフェースとして利用するにあたって,人間がおこなう操作行為と,意図とのマッチング度合いについて,機能回復のためのリハビリテーションに応用することで,その学習可能性を確認することができた。
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