2005 Fiscal Year Annual Research Report
外的環境変化に対する脳における脂溶性シグナル分子受溶体の挙動と組織構築連関
Project/Area Number |
16200026
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
河田 光博 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (60112512)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 賢一 京都府立医科大学, 医学研究科, 講師 (40315932)
坂本 浩隆 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (20363971)
|
Keywords | ホルモン / 脳 / 受容体 / イメージング / 組織 / FRET / FRAP / ステロイド |
Research Abstract |
本研究では、胎生期や新生児期における環境変化、とくに母子に対するストレスや性ホルモン変動などの内分泌環境の変容がその後の脳におけるホルモン受容体の分子動態や、神経回路構築にどのような影響を与えるのか明らかにし、環境による脳のホルモン分子機能と構造形成メカニズムの解明を目的とした。核内での受容体の動態解析についてFRAPやFRET解析を行った。 GR-GFPを培養した海馬神経細胞に強制発現させるとリガンド(コルチコステロン)がない状態では細胞質および突起に認められたが、リガンド投与によって時間経過とともに核の方へ集積していった。細胞質から核への移行についてimportinαとβについて培養細胞での解析を行った。コルチコステロン投与によってGR/MRは細胞質から核へ移行し、これに同調するようにimportinαも核へ移行した。しかしながらimportinβは細胞の核膜周辺に分布し、GR/MRの核移行とは同調せず、同一領域に局在していた。これらから、GR/MRの核移行はimportinαによってドライブされ、importinβは関与しないことが明らかとなった。さらに、GR/MRの核移行シグナル(NLS)を不活化したミュータントを作成し、同様の実験を行ったところ、これらのNLS不活化ミュータントはリガンド投与によっても核移行を示さなかった。以上から、リガンドとレセプターが結合することで、NLSが露出し、それをimportinαが認識することで細胞質から核への移行が行われることが、一連の本研究で証明された。またGRとMRの両者の関係について検索したところ、リガンド添加によって核内でFRETが起こった。つまりGR/MRのヘテロダイマーの形成が確認された。またFRAPによって細胞質内でのGR/MRの動きは極めて速く、リガンドと結合して核に入るとその動きが制限されることを明らかにした。
|
Research Products
(6 results)