2005 Fiscal Year Annual Research Report
材料科学の融合による新しい核酸バイオナノテクノロジー
Project/Area Number |
16200034
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
丸山 厚 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (40190566)
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Keywords | 核酸シャペロン / くし型共重合体 / ポリカチオン / 核酸 / 核酸鎖交換反応 / ナノマシン / 核酸ナノテクノロジー |
Research Abstract |
本研究課題では、昨年度に引き続きカチオン性高分子材料の核酸シャペロン機能の発言メカニズムの解析と核酸シャペロン機能の核酸ナノテクノロジーへの応用を推進した。核酸シャペロン機能の発現メカニズムの解明を目的に、高分子材料が核酸の二重らせん形成に及ぼす影響を、各磁気共鳴スペクトルおよび円二色性スペクトルにより解析した。その結果、共重合体は塩基対の構造にほとんど影響を与えることなく相互作用し、かつ二重らせん構造の安定化していることがわかった。つまり、共重合体は局所的にも二重らせん構造を不安定化することなく核酸シャペロンとして機能を発現することが示唆された。また、共重合体のハイブリッド安定化機能は、核酸シャペロン活性の発現に、不利に働くと考えられる。そこで、カチオン性官能基および分子量を制御した共重合体を新規調製し検討した結果、ハイブリッド安定化機能を抑えたより高活性のシャペロン高分子が実現できた。一方、近年注目されている核酸を利用したナノマシンの機能を、共重合体のハイブリッド安定機能およびシャペロン活性を利用して向上することを検討した。四重鎖形成と2重鎖形成の転移を利用した伸縮制御型核酸ナノマシンをモデルに、その動作を高分子材料の存否で検討した。その結果、共重合体の添加により核酸ナノマシンの作動レスポンスを数十倍高められることが確認された。また、核酸ナノマシンは、温度や塩強度などの環境因子にその動作が左右されることが課題であったが、共重合体によりこれらの課題も緩和できることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)