2005 Fiscal Year Annual Research Report
ナノテクノロジーを用いて作成した骨結合生体活性チタンの整形外科への応用
Project/Area Number |
16200035
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中村 孝志 京都大学, 医学研究科, 教授 (10201675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根尾 昌志 京都大学, 医学研究科, 講師 (80311736)
川下 将一 京都大学, 工学研究科, 講師 (70314234)
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Keywords | チタン / 陽極酸化 / アナターゼ / ナノ / 骨セメント / 人工材料 / 骨伝導 / 動物実験 |
Research Abstract |
1.In vitroでの評価:通電圧を一定に保つことにより1M H_3PO_4200Vで均一なチタンの陽極酸化処理を施すことが可能となった。処理層のSEM観察では200V処理が155V処理よりも平均表面荒さが大きく、ミクロ構造の気孔率も高く、処理層も7μm(150V:4~5μm)と厚いことが判明した。結晶構造はアナターゼとルチルが混在していた。SBF浸漬では3日で良好なアパタイト形成が認められ、155V処理よりも優れた骨伝導性が期待できた。In vivoでの評価:ウサギ脛骨内への埋入実験での引き剥がし試験では、155Vに対し有意に高い骨結合強度は得られなかった。SEMでの表面解析、骨-インプラント界面観察では、酸化チタンの層の厚みを除き、155Vと違いを認めなかった。今後、Nを増やし実験を進めて行く予定である。 2.アナターゼ型の結晶構造を持つ200nmの酸化チタン微粒子をPMMAに分散させたセメントでは、酸化チタン微粒子のセメント内での分散が不十分な為に、強度及び生体活性がインプラント固定には不十分と考えられた。さらに、2μmの酸化チタン微粒子をPMMAに分散させたものでは、力学的強度及び骨伝導能に優れていたが、微粒子の品質の問題と安全性への疑問が生じてきた。そこで、品質と安全性に優れている300nmのルチル型の酸化チタン微粒子をPMMAに分散させたセメントを作成したが、セメント内部での分散が不十分であることが判明した。そこで、PMMAの粒子径及び分子量を変えてセメントを作成したところ、300nmのルチル型の酸化チタン微粒子が均一に分散し、ラットへの埋入試験でも、優れた骨伝導能を示すことが予備実験で明らかとなった。今後、至適なPMMAの粒度分布および、酸化チタン微粒子の配合比率を、力学的強度および、生体活性の観点から、確立する為の実験を行っていく予定である。
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Research Products
(3 results)