2005 Fiscal Year Annual Research Report
氷床コア中宇宙線起源放射性核種の高密度高精度測定手法の開発
Project/Area Number |
16201005
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
柴田 康行 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, 領域長 (80154251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植弘 崇嗣 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, 室長 (90132844)
田中 敦 独立行政法人国立環境研究所, 化学環境研究領域, 主任研究員 (80171734)
長島 泰夫 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (60091914)
松崎 浩之 東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (60313194)
堀内 一穂 弘前大学, 理工学部, 助手 (00344614)
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Keywords | 宇宙線生成放射性核種 / ドームフジ氷床コア / 加速器質量分析法 / ^<10>Be, ^<26>Al, ^<36>Cl |
Research Abstract |
前年度の検出系並びに解析ソフトの改良に引き続き、H17年度には安定同位体S-36の妨害抑制のために塩素をガス化してイオン源に導入する手法について基礎検討を進めた。既存の固体イオン源をガス導入型に改造するため、設計並びに製作を行った。また、試料溶液から塩素ガスを発生してガス導入型イオン源に輸送する手法のプロトタイプを製作し、反応条件等について基礎的な検討を進めた。以上の新技術を組み合わせ、本年度入手した氷床コア試料等についてH18年度にCl-36測定を実施し、手法の評価を行う予定である。なお、LGMから現在に至る環境変動情報を基礎情報として取得するため、海底コア詳細解析に参画した(国環研)。イオン源のアイオナイザー形状を変更し、30μAの塩素イオンビームの発生に成功した。さらに検出効率向上並びに妨害抑制のため、イオン入射側の電磁石を二重収束型に交換するとともに、加速器の荷電変換膜サイズの拡大等によって感度の増大を図った。また、海外協力者のカリフォルニア大西泉研において試料調製法について検討を行い、手法を持ち帰って南極の氷試料を使って試料調製を開始した(筑波大)。ガス充填型電磁石による検出系の最適化を進めた。S-36のバックグラウンドの成因についてイオン光学計算を行った結果、電磁石壁に衝突したものが検出器に飛び込んでいる可能性がわかり、検出器直前にストッパーを設置した。その結果、バックグラウンドを1/10まで下げることに成功した。またカウンター入り口の拡大等細部にわたる改良を続けた結果、浅層コアでCl-36の変動を捉えることに成功した。Be-10と比較すると、鏡像的な変動をしている。今後計測イオンの荷電を変えるなどしてさらなる感度向上を図り、測定誤差低減を図る予定である(東大)。浅層コア試料についてBe-10の測定を継続し、Wolf, Spoerer, Maunder, Daltonの4つの太陽活動極小期に対応するBe-10濃度増加を捉えることに成功した。また、通常の試料量(200g)を7gまで縮小して試料調製、測定を実施し、Wolf, Spoererの2期で200gと同等の変動を捉えることにも成功した。昨年度に引き続いてAl-26測定も継続し、26Al/10Be比が現在も退氷期も基本的に同じであったことがわかった。今後Be-10、Al-26測定を過去3000年にわたり継続するとともに、退氷期の分析も継続する予定である(弘前大)
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Research Products
(6 results)