2004 Fiscal Year Annual Research Report
サンゴ礁-海草藻場-マングローブ林から構成される複合生態系における環境動態の解析
Project/Area Number |
16201006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
山室 真澄 独立行政法人産業技術総合研究所, 地質情報研究部門, 主任研究員 (80344208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 明 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 主任研究員 (40357736)
加藤 健 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 主任研究員 (90356783)
大谷 謙仁 独立行政法人産業技術総合研究所, 太陽光発電研究センター, 研究員 (30356646)
中村 由行 独立行政法人港湾空港技術研究所, 海洋水工部・沿岸生態研究室, 室長 (90172460)
井上 徹教 独立行政法人港湾空港技術研究所, 海洋水工部・沿岸生態研究室, 主任研究官 (70311850)
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Keywords | 物質循環 / 窒素 / リン / ROV / バイオマーカー / コアマモ |
Research Abstract |
沖縄県石垣市伊土名地先の沿岸域において、1潮汐間の水質・流動の連続観測を行った。マングローブ林-藻場間の潮汐に伴う入退潮量は、上流からの流入水量と比較して大きく、当該水域における物質循環には潮汐が強く影響することが推察された。また、北風が卓越する時期においては、沿岸域の流れ場は潮汐変動に関係なく北から南西方向への流れが卓越していた。上記の結果は、上流域及びマングローブ林内起源の溶存態の負荷は潮汐により前面沿岸域へと輸送されるが、北から南西への沿岸流により周辺水域から速やかに流出されることを示唆するものであった。 平行して、マングローブ林流入河川上流部に繁茂する広葉樹などの葉や、河床堆積物を採取した。これらのバイオマーカーを分析することにより、陸域からの有機物供給がマングローブ林内で蓄積・分解される度合いを推定する。海草藻場では、温帯域に共通する唯一の海草であるコアマモを採取し、FSで分析した亜熱帯海草の結果と合わせて、亜熱帯海草と温帯海草とでバイオマーカーに差異があるかを検討する。 また、伊土名地先の沿岸域において、海草藻場の範囲を水中ロボットで探索した。その結果、従来藻場と考えられていた範囲よりはるかに沖合いにまで広がっていることが分かった。 本年度はこれらの調査とは別に、来年度後半以降に予定している「サンゴ礁-海草藻場-マングローブ林」のどれかが機能していない生態系の対象フィールドを選定すべく、石垣島の主な河川や海岸における予備調査も行った。現在、得られた情報を基に選定作業を進めている。
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Research Products
(3 results)