2005 Fiscal Year Annual Research Report
アジア循環システムのエコデザインと実現化ロードマップ作成
Project/Area Number |
16201007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤本 淳 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任教授) (90345132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 一彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 科学技術振興特任教員(特任助手) (70345148)
梅田 靖 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40242086)
李 志東 長岡技術科学大学, 経営情報科, 助教授 (80272871)
近藤 伸亮 独立行政法人, 産業技術総合研究所, 研究員 (40336516)
須賀 唯知 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40175401)
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Keywords | アジア地域 / 資源循環 / エコデザイン / リサイクルコストモデル / 環境汚染 / 循環シミュレータ / IT機器 / 家電リサイクル |
Research Abstract |
本年度は、中国・ベトナムにおけるリサイクルの現状、および日本からの廃製品の流入状況等の調査を実施するとともに、中国清華大学と共同で、アジア循環の現状と課題をテーマとした日中合同シンポジュウムを、2005年10月に北京で、2006年1月に大阪で実施した。また、アジア循環の現状と将来状況をシミュレートして、今後の対策を明らかにすることを目的とした"循環シミュレータ(リサイクル経済モデルと不確実性評価から構成)"の試作を行った。 1.廃製品の海外流出調査:法で定められたリサイクルシステムからもれた廃家電製品・PC(約1500万台)の海外への流れを明らかにした。貿易統計による分析から、輸出される中古家電・PCは、香港を中心にアジア地域に毎年約1000万台輸出されており、輸出先でリユース・リサイクルがビジネスとして行われていることを予測し、輸出業者のヒアリングや、中国・ベトナムでの現地調査により、それを検証した。 2.リサイクル経済モデル:この海外への流出の要因を、循環経済モデルを用いて分析し、大きな経済的なメリットが背景にあることを確認した。さらに、経済モデルを使って、将来起こり得るアジア循環を予測した結果、各国の経済状況や産業政策によって、廃製品の流れは、比較的短期で変化する可能性がある、人件費の上昇を考えると、現在中国沿岸部に流れているPCは、約5年後から中国沿岸部で廃棄量が多くなり、約8年後には、別の人件費の安いベトナムなどの地域に流れる場合があることを明らかにした。個別製品としてPCと自動車を対象に、アジア循環の詳細な経済的メリットを検討した。使用済みデスクトップ型PCについて、日本と同程度の環境配慮を行うことを前提とすると、日本で処理するより中国で処理する方が、コストは196円/台低減し、再資源化率は27ポイント上昇する。使用済み自動車については日本の現状把握したうえで、簡単な計量経済型モデルを構築した。 3.アジア循環の不確実性評価モデル:前記経済モデルにアジアにおける資源のグローバル循環を行う際に不可避に生じる不確実性をリスクおよびデータの幅を用いて表現し,これら不確実性の要素も含めた資源循環の評価手法を提案した。
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Research Products
(5 results)